「パパ臭いからあっち行って!」「あなたの枕、ほんっとうに臭いんだけど!」
小さい頃はすぐ抱きついてきてくれた娘や、かつては優しく微笑みかけてくれた妻から、こんな罵声を浴びせられた……。こうした経験を持つミドル男性はきっと少なくないはず。
「俺も加齢臭のする年になってきたみたいだから、耳の後ろをしっかり洗わなきゃ……」
もしあなたが30~40代にもかかわらずそう考えていたなら、2つの大きな勘違いをしている可能性がある。なぜなら、その臭いは「加齢臭」ではないうえに、臭いの主な発生源は「耳の後ろ」ではないかもしれないからだ。
「耳の後ろ」から臭うわけじゃない?
あのアブラのようなニオイは「頭のニオイ」だった!
「加齢臭」といえば、原因は主に背中や胸元から発生する「2-ノネナール」という物質。そのニオイは“古いたんす”や“枯れ草”に例えられ、同物質が増加するのは50代以降と言われている。
一方で、30代~40代のいわゆるミドル世代が臭うのも我々の実体験からも明らかだが、それは“古いたんす”のようなほのかな香りではなく、まるで「酸化した油」のような嗅ぐだけでオエッとくるニオイ……。
ではいったい、何がミドル男性を臭わせているのか。そんな疑問に取り組み、理由を掴んだのがマンダムだ。
マンダムの「ニオイ研究員」が、約7年にわたり約800人のニオイの種類や強度を評価。実際に被験者の頭、首、ワキなどに、なんと約3センチまで顔を近づけて直接ニオイを嗅いでいった。そして、そんな長い地道な調査と研究を経て、ついにミドル男性を臭わせる原因物質を突きとめた。それが、「ジアセチル」だ。マンダムは、「ジアセチル」を原因とするミドル男性特有の脂(あぶら)臭いニオイを「ミドル脂臭(ししゅう)」と名づけた。
この「ジアセチル」、ニオイ研究員がミドル男性の各部位のニオイ強度を評価した結果、「頭頂部」と「後頭部」のニオイが最も強く、世の多くの男性が気にする「耳の裏」のニオイは意外にもほぼ感じられず、2-ノネナールもジアセチル成分も検出されなかった、という。
男性は自覚しづらい「ミドル脂臭」
一方で女性たちは悶絶していた!
「全然、自分ではクサイっていう自覚がないんだけど……」
そう思われたミドルのお兄様方。正直、自覚してほしいとは思うけれど、仕方ない面があることもお伝えしたい。同社のニオイ研究員である臭気判定士の原武史さんはこう語る。