皆さんはギフトカードを贈りますか? もらってうれしいですか? 使っていますか? アメリカでは10兆円市場、一方日本では3000億市場とまだまだビジネス展開できる余地があるギフトカード事業。そのビジネスの可能性に着目したのが「ギフトネットコム」のサービス。ギフトカードという新たな視点でマーケットプレイスを展開する、アスカネットの福田幸雄社長にお話を伺った。

アスカネット
福田幸雄 代表取締役社長兼CEO

1948年広島市生まれ。遺影制作と個人向け写真集制作ではいずれも業界トップクラスの株式会社アスカネット創業者。2005年東証マ ザーズ上場。2011年空中ディスプレイ「エアリアルイメージング事業」を開始。

「ギフトネットコム」
誕生秘話

 当社は、もともとオンラインでフォトブック制作や写真管理・共有ができるサービスを行っております。その事業が定着してきたころに、もっとオンデマンドを使った事業が展開できないかと考えました。

 そこで、オンデマンドの印刷工場を持っていることから、フォト関連のサービスだけではなく、違うものを生み出せないかと考え、辿り着いたのがオリジナルの『ギフトカード』でした。ありきたりではなく、おしゃれで感動できるギフトカードを作りたいと思ったのが最初のきっかけです。

 まずは、ギフトカードについていろいろ研究を重ねました。読者の中で「ギフトカードをギフトする」と聞いて、ピンときた方はどれくらいいるでしょうか。実際、日本でのギフト市場を調査したところ、日本ではあまり、ギフトカードをプレゼントとして選ばないことがわかりました。

 理由としては、“金額が入っている”カードを贈るという行為があまり受け入られていないのでないかという、日本の贈答文化の考えからです。例えば、出産祝いの半返しとして、“金額が入ったカード“を贈る際、贈る側も贈られた側も少なからず複雑になるかと思います。従ってギフト商品としては重宝されることがない結論に至りました。

 そのような考えから、「金額を入れないギフトカード」を作ろうということになりました。ただ、ここでヒントを得たのは、中には決められた旅行ツアーやスーツ・ワイシャツのお仕立て券など、金額が入っていないギフトカードもあり、このようなサービスは、固定されているため展開できるのです。

 そこで、「ギフトネットコム」でも、単純にギフトカードのサービスが固定されているのであれば、金額を入れなくても展開できるものにしようと考えました。さらに、カード式ではありませんが、その方式のひとつがカタログギフトです。

 しかし、カタログギフトは多くの品物の中から自由に好きなものを選べるという一方、表示商品に限りがあったり、分割して受け取れない、かさばるなどの問題点もあります。また、ギフトをメインにしたECサイトがあまりないこと、オンデマンドでギフトカードを作っているところがないことを調査結果からわかりました。

 以上のような研究を重ねた結果、ギフトカードとカタログギフトの良いところを組み合わせ、ECサイトとして展開する新事業「ギフトネットコム」が誕生しました。