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住居としての価値に加え、換金性も重視
1億円以下から3億円超まで
それぞれの資産移転を考える

著者・コラム紹介
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親の介護、自分たちの老後、相続対策といった「人生後半戦」の大問題に直面する中高年世代。豊かなシニアライフを送るには、人生の基盤となる住まいについて、しっかりと考えを巡らせる必要がある。2015年より相続税が増税となり、子世代への資産移転を視野に入れた取り組みが求められるようになってきた。

いざというとき
「動かせる」資産

 不動産というのは、本来は文字通り「動かせない」資産なのだが、近年はその流動性、すなわち「売りやすさ」「貸しやすさ」が重視されるようになってきた。

 いつでも「売れる」「貸せる」ものであれば、不測の事態が起きても現金化しやすい。相続税が課税される場合でも、現金に換え、支払うことが容易だ。

 今回の相続税増税のポイントは二つある。「基礎控除額が縮小」となり課税対象者が増えたことと、「税率がアップ」して相続財産が大きい人に、より重い負担となったことだ。

スタイルアクト 代表取締役
沖 有人(おき・ゆうじん)

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業。98年にアトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立。不動産コンサルティングサービスに加え、17万人の会員を有する不動産セカンドオピニオンサイト「住まいサ~フィン」を運営。著書に『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社)、『2018年までのマンション戦略バイブル』(朝日新聞出版)などがある。

 夫婦どちらかが亡くなった場合の1次相続には、1億6000万円の配偶者控除があるので税額が大幅に軽減されるが、子世代だけとなる2次相続の場合はストレートに課税される。

 そこで知っておきたいのは、「不動産を活用すると相続税は軽減できる」ということだ。事前に現金などの金融資産を不動産に替えておくことが有効になってくる。

 「現金1億円は、相続税評価額も1億円ですが、それを土地に替えると約8割、戸建てに替えると約7割、マンションに替えると約4割、そのマンションを賃貸にすると約2割まで評価額を下げることができます」

 そう語るのは、不動産と相続に詳しい、スタイルアクト代表の沖有人氏。相続税増税路線が打ち出された頃から、「不動産を使った節税をしたい」といった相談が急増しているという。

 「もちろん相続税は払う、そのためのキャッシュもあるという方に、無理に節税は勧めません。しかし土地はたくさんあるが、キャッシュがほとんどないという方もおられます。相続税は現金で、申告と納税の期限である10ヵ月以内に納めなければなりません。資産が何億円もある方の場合、納税額も数千万円から億単位になったりしますから、事前に備える意味が非常に大きくなります」(沖氏)

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