“日本発” “アジア発”の総合系コンサルティングファームとして、グローバル展開を加速しているアビームコンサルティング。他社で経験を積んだ人材を年間300人規模で迎え入れているが、その活躍の場は国内外で広がる一方だ。
そんな成長企業は今、どんな人材を求めているのか。人事グループ統括の林崎斉執行役員に聞いた。

共にゴールまで走る
リアルパートナー

執行役員 プリンシパル
人事グループ統括
林崎 斉

ーーまず貴社の沿革ならびに会社概要について教えてください。

 当社は1981年、世界最大規模の会計事務所であるトウシュロスインターナショナル(現デロイト トゥシュ トーマツ)に参加する形で創業しました。

 その後、2003年に独立系コンサルティングファームとなり、今日に至ります。現在の売上高は604億円、資本金は62億円、グローバルで約4200人のコンサルタントが在籍しています。業績はここ数年好調に推移しており、今年度も過去最高の売上高を達成する見込みです。

ーー業績好調の要因は何ですか。

 実績と信頼の積み重ねだと思います。当社のコンサルティングの基本は、お客さまの「リアルパートナー」であること。信頼の置ける本当の意味でのパートナーになることを経営理念に掲げています。

 経営戦略あるいは変革までの道筋しか示さないコンサルティングファームもありますが、当社は中長期の視点で、戦略の立案から実行まで、コンサルタントがお客さまと共に最後までやり遂げます。専門領域を持つ複数のコンサルタントがチームでプロジェクトを完遂するのも当社の特徴です。

 欧米企業はトップダウンで変革が進む文化を持っていますが、日本ではトップダウンだけでは変革が難しいケースが多く、現場を巻き込んで進めることが多い。ですからわれわれは経営者のメッセージを現場に伝えていくと同時にそこでの声も聞きながら、描いたゴールに一緒に走っていくのです。

 そして、クライアントから得られた信頼感が、同じお客さまの別のプロジェクトの機会につながり、クライアントとの接点は長期的なものになっていきます。

ーー近年、グローバル展開が急速に進んでいますね。

 2003年にデロイト トウシュ トーマツグループから独立しましたが、同時に海外拠点への展開もしてきました。

 日系企業が海外展開をするに当たり、各国でガバナンス(企業統治)をきちんと利かせるための仕組みを導入したい、サプライチェーンであれば全世界での生産と物流のデータをつなげてグローバルレベルで状況を捉えたいという案件に多数対応してまいりました。日系企業の成長戦略の実現や経営戦略の実現のやり方など多くのナレッジがあることも、パートナーとして選ばれている理由だと思います。

 グローバルでは現在、アジアを中心に11ヵ国・地域に21拠点を展開。また、世界各地のコンサルティングファーム・ベンダーと業務提携し、迅速かつ円滑なグローバル事業展開と顧客変革を支援する体制を確立しています。