シンガポールをグローバルネットワーク拠点に、韓国、インドネシアでの金融事業で成長し続けるJトラスト。国内では信用保証、債権回収事業で収益基盤を固めつつ、成長著しいアジアの資金需要、および個人消費の拡大を商機と捉え、既成概念を超えた金融サービスの展開でさらなる躍進を目指す。

韓国・インドネシアで
金融事業を急拡大

──2008年にTOBで前身企業の筆頭株主となって以来、Jトラストは急成長しています。

fujisawa Jトラスト 代表取締役社長
藤澤 信義(ふじさわ・のぶよし)

1970年、岐阜県生まれ。東京大学医学部卒業。2007年、かざか債権回収(現・パルティール債権回収)代表取締役会長就任。08年、マスワーク(現・キーノート)取締役就任。10年、Jトラスト取締役、11年、同社代表取締役社長就任。13年、J TRUST ASIA PTE.LTD.代表取締役社長就任。14年、韓国・親愛貯蓄銀行(現・JT親愛貯蓄銀行)会長就任。15年、JTキャピタル取締役会長、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIA代表理事、Jトラスト代表取締役社長 最高執行役員、アドアーズ取締役就任。

藤澤 楽天からのKCカードの取得や武富士の事業継承など、積極的な債権買い取りやM&Aで資産を増やしつつ事業領域を広げてきました。15年3月期の営業収益は8年間で約20倍増の632億円、総資産は約45倍増の5407億円に達しています(次ページグラフ参照)。

──特に12年以降の急成長ぶりには目を見張るものがあります。一段とギアが入ったのは、アジア事業の成果でしょうか。

藤澤 当社のアジア事業は12年10月に韓国の親愛貯蓄銀行(現・JT親愛貯蓄銀行)が営業を開始した頃から本格化しました。翌13年7月には、アジアでさらなる銀行やノンバンクを取得することを目的の一つとしてライツオファリングを実施し、976億円を調達しています。

 これらの資金で14年11月にはインドネシアのムティアラ銀行(現・Jトラストインドネシア銀行)、15年1月には、韓国のスタンダードチャータード貯蓄銀行(現・JT貯蓄銀行)を取得しました。

 現在、信用保証や債権回収を中心とする国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が当社の事業の3本柱であり、今期以降の営業利益計画の内訳では、韓国・東南アジアの合計が国内金融事業を上回っています。