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離れて暮らす親の住まい

国の高齢者調査から見えてきた
親世代が抱く日常生活の不安

著者・コラム紹介
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「こうしてあげたい」という子の気持ちは、親にとって「余計なお世話」なのかもしれない。高齢の親は何を望んでいるのか。国の高齢者対策の基礎となる各種調査から、親世代の本当の気持ちを探る。

 高齢者の視聴割合が高い昼間のテレビは、健康番組や健康食品のコマーシャルであふれている。年齢を重ねれば誰でも体にガタがくるから、健康は親世代の最大の関心事であり不安である。

古い家は住みにくく
事故の危険も高い

 1人暮らしの高齢者に日常生活で不安を感じるかと聞いた※1ところ、「健康や病気のこと」の割合が58.9%と最も高く、「寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」(42.6%)が続く。2人暮らし世帯でも同じで「自分や配偶者の健康や病気のこと」(67.6%)が最も多く、次いで「自分や配偶者が寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」(59.9%)となる。年金など収入面では恵まれている逃げ切り世代と呼ばれるだけに、お金に関する不安は3割程度にとどまる。

 遠距離に住む親が健康不安を抱えているのなら、子は施設に入居してほしいと願うが、高齢者の約8割※2が住み慣れたわが家に満足しており離れたくないと思っている。その理由は生活環境を変えたくないという気持ちによるもので、住まいが「快適だから」というわけではないようだ。住まいに不満を抱いている人からは「住宅が古くなったりいたんだりしている」63.8%、「住宅の構造や設備が使いにくい」32.2%、「家賃、税金、住宅維持費等の経済的負担が重い」24.8%といった声が聞こえてくる。

 現役時代に建てた家に住み続けているのならバリアフリーではないだろう。何よりも古い家は危険である。国民生活センターがまとめた事故情報※3によると、20〜65歳未満と65歳以上のどちらの層も7割以上が住宅内で転倒や転落事故に遭っており、「高齢者の事故は重症化している傾向がみられる」という。

 ※1 内閣府「平成26年度一人暮らし高齢者に関する意識調査結果」65歳以上が調査対象。
 ※2 内閣府「平成26年度高齢者の日常生活に関する意識調査」60歳以上が調査対象。
 ※3 国民生活センター「医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故─高齢者編─」(2013年3月公表)65歳以上が調査対象。
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