イングランド、ウェールズで2009年に生まれた男の子に最も多く付けられた名前はオリバーだった。2位ジャック、3位ハリーだ。女の子は1位オリビア、2位ルビー、3位クロエである(英国立統計局調査)。日本と対照的に、英国の両親は、わかりやすくて、呼びやすい名前を付けたがる。そのほうが社会に出たときにメリットがあると信じられている。
男の子の16位にMohammed、36位にMuhammed、62位にMohammad等々、スペル違いで12のモハメッドがランクに載っている。「デイリー・メール」紙が合計したところ7549人になり、公式1位のオリバーの7364人を抜いて1位に躍り出た(前年3位)。いかに英国にイスラム系の人びとが大勢暮らしているかがうかがわれる。Mohammedについても、ロンドンで4位、西ミッドランドでは1位だ。
ところで、ジョージメイソン大学のJ・A・ゴールドストーン教授は、イスラム社会と西洋社会の関係改善は急務だと「フォーリン・アフェアーズ」誌10年1月号で指摘していた。09年調査では、「米国を好意的に見なしている」と答えた人は、米国の同盟国のエジプト、ヨルダン、パキスタン、トルコですら18%しかいなかった。