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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

アラブショックと国内政局の不透明感は、本当に市場の重石となるか?――島本幸治・BNPパリバ証券東京支店 投資調査本部長/チーフストラテジスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第13回】 2011年3月2日
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1.アラブショックの影響は
市場で長く続かない

 カダフィ大佐に屈伏の文字はない。砂漠地帯に住むベドウィン(遊牧アラブ)の部族出身で、1969年にトリポリで同志の将校らとクーデターを成功させて以来、事実上のリビア国家元首として、アフリカ大陸で最も長く君臨し続けた。

 かつては、中東諸国の中で反欧米の最右翼であり、“砂漠の狂犬”と呼ばれたこともある。先週23日の演説では、「最後の血の一滴まで戦う」と徹底抗戦の構えを強調した。

 アラブ諸国の政情不安が、チュニジアやエジプトのような非産油国から大産油国であるリビアに広がったことで、世界経済や金融市場に与える影響は一気に拡大した。

 すでにリビアでは、石油会社の操業やパイプラインによる原油輸送が中断され始めた。各国の反政府デモが民主化運動という様相を強めているために、バーレーンを通じて巨大産油国サウジアラビアに波及するリスクも意識されよう。

 リビアの混乱は長期化が避けられまい。カダフィ政権に代わる統治の受け皿が見当たらないためだ。エジプトと異なり、国民は民衆の弾圧に加わった軍を信用していない。

 そればかりか、部族対立や地域対立まで再燃し、イスラム勢力も巻き返しを狙っている。政治情勢が落ち着くまで、市場が材料視し続けるには長過ぎる時間を要する。すなわち、市場のテーマとしては早晩ピークを迎えよう。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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