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動き出した次世代自動車
立地戦略は新たな成長分野への転換期

日本立地センター常務理事 德増秀博

企業誘致活動は、これまでの輸出型産業中心の誘致から、新たな国内産業の動きに着目した誘致への転換期を迎えた。アジア新興国とのビジネス強化や外資企業の誘致など、グローバルな誘致戦略も必要になっている。

 輸出型産業の工場立地は、グローバル化と国内立地の二極化が進んできた。これまで立地を牽引してきた自動車関連産業は、現地の需要に合った自動車を供給していくことが求められ、新興国などのボリュームゾーンでの現地生産化に移行している。

   一方、国内立地は新技術、試作生産ラインが主体の母工場化の動きを見せている。日本産業のポテンシャルである高度な研究開発力を基盤に、知識集約型産業への転換による国際競争力の強化を図っていく戦略だ。

次世代自動車普及に向け
各社が投資拡大

  自動車関連各社は国内において、次世代自動車を成長分野と位置づけて投資を拡大している。

  セントラル自動車は今年1月、宮城県大衡村の第二仙台北部中核工業団地に次世代自動車生産を視野に入れた最新工場を稼動させた。また、関東自動車は岩手工場でトヨタの小型車ヴィッツのハイブリッド車の生産を予定している。

  ホンダは、三重県鈴鹿製作所で新小型低燃費車の生産に向けた設備投資を始めたほか、埼玉県寄居工場で次世代環境対応車の生産を2013年に予定。  一方、日産自動車は神奈川県追浜工場でEV自動車リーフと、栃木県上三川町で高級乗用車フーガのハイブリッド車の生産を始めた。また、マツダは広島県府中工場と山口県防府工場で低燃費エンジン、トランスミッションの生産を増強しており、三菱自動車は、EV自動車(アイ・ミーブ)と商業用EV自動車(11年度投入計画)の生産を進めていく予定だ。

  このほか、日野自動車では茨城県古河市に、低燃費ディーゼルエンジントラックの生産工場新設に向けて用地を取得。20年までに本社工場から段階的に生産を移管する予定だ。

積極的な投資が進む
環境・エネルギー産業

 環境・エネルギー産業には多様な製品があるが、とりわけ自動車用二次電池や家庭用燃料電池に関係する設備投資が活発だ。また、電池本体だけでなく、化学、非鉄金属など素材分野でも生産増強が図られている。

  環境・エネルギー分野に対しては政府も後押し。平成22年度「低炭素型雇用創出産業立地推進事業費補助金」を、エコカーやリチウムイオン電池、太陽光発電、LED関連など153件の事業に交付した(予算総額約1100億円)。

  この分野では、今後、新規立地を伴う積極的な投資が行われることが予想され、約1兆9000億円の投資誘発と、約9万5000人の雇用創出効果が見込まれている。

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