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もし親に何かあったらあなたの生活はどうなるか?
【第1回】 2011年4月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
村田裕之 [村田アソシエイツ株式会社代表取締役/東北大学特任教授]

悩み多き老親を抱える
40代・50代の現役世代の現実

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 もし、親に何かあったら、あなたの生活がどうなるか……想像してみたことはありますか? いま、私の周辺には、年老いた親についての切実な悩みを抱えている次のような人が増えています。

 「現在、故郷の田舎町で認知症の母の介護に翻弄されています。特に、家内が精神的に耐えられなくなったため、2か月前に母を病院の精神科に入院させました。病院の院長と母の今後について話し合った際、『お母さんを実家に戻して、夫婦お二人だけで介護するのは不可能です』と告げられました。アルツハイマー型認知症というそうで、一番始末におえないようです。院長には『辛くても、親とは思わず病人だと思った方が互いに幸せですよ』と言われました。

 この結果、退院後は、介護施設に母の世話をお願いする決断をしました。大変辛いです。認知症さえなければ、家で一緒に過ごせるのですが、残念です」

 先日も、数年ぶりに会った50代の知人から、開口一番、「大阪の実家で一人暮らしをしている母の認知症が悪化して、仕事の合間に定期的に実家に帰っている。近いうちに年金で支払える範囲で、どこかの施設に入れないといけないので、ぜひ相談に乗ってほしい」という話がありました。

 実は、日本人の死亡者の75パーセントは70歳以上です。70歳を過ぎると、病気による入院、認知症の発症、介護の必要性が増え、死亡の確率も大きくなるからです。その結果、老人ホームや介護施設の探索・入居、死去による遺産相続などに伴う問題が起きやすくなるのです。

高齢期の親の問題は
「現役世代とその家族」の問題

 しかし、こうした高齢期の親に関わる諸問題は、すでにお気づきのように、実は親だけの問題ではありません。むしろ多くの場合、子供である「現役世代とその家族の問題」になります。先の私の知人の例では、認知症が進行した母親の世話のために、子供である彼が多くの時間や精神的なエネルギーを割かざるを得なくなっています。それ以上に、実際に介護を担っている彼の奥さんへの肉体的・精神的負担が、彼の家庭を脅かすものになっています。

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村田裕之 [村田アソシエイツ株式会社代表取締役/東北大学特任教授]

新潟県生まれ。1987年東北大学大学院工学研究科修了。日本総合研究所等を経て、02年3月村田アソシエイツ設立、同社代表に就任。06年2月東北大学特任教授、08年11月東北大学加齢医学研究所 特任教授、09年10月に新設された東北大学加齢医学研究所スマートエイジング国際共同研究センターの特任教授に就任。エイジング社会研究センター代表理事。わが国のシニアビジネス分野のパイオニアであり、高齢社会研究の第一人者として講演、新聞・雑誌への執筆も多数。
 


もし親に何かあったらあなたの生活はどうなるか?

あなたの親は70歳を過ぎていますか? まず、親が70歳を過ぎ元気なうちにやるべきことは、親が将来、認知症になったり、要介護や寝たきりになったときの備えと、亡くなった後のトラブル予防です。

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