ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

ろうそく、白熱灯、蛍光灯に続く第4世代照明の普及が加速している。その主役はLED(発光ダイオード)だ。環境意識の高まりに加え、電力不足への懸念から、一気に需要が拡大したかたちだ。野村證券グローバル・リサーチ本部の横山恭一郎氏に次世代照明市場の動向を聞いた。

節電意識の高まりを背景に
急拡大するLED照明市場

 白熱灯や蛍光灯に代わる光源として注目を集めるLED照明。その需要が急拡大している。きっかけは東日本大震災だ。LED照明市場の動向を、野村證券の横山恭一郎氏はこう説明する。

 「大手照明器具メーカーの業績を見ると、LED照明の今年の売り上げ規模は昨年の倍程度になる見通しです。また調査会社のデータによると、電球市場全体の販売数量のうち、LED電球の占める割合がこれまで2割程度だったのが、この6月は4割を上回っています。やはり震災以降、消費者の省エネ意識が高まり、需要が急増したためと考えられます。LEDシフトは世界的な流れですが、直近での伸びは日本が突出しています」

省エネ・長寿命など
多くのメリットを持つLED照明

 そもそもLEDは何が優れているのか、整理してみよう。LEDとは発光ダイオードと呼ばれる半導体の一種。LEDを使った照明には、白熱灯や蛍光灯といった従来型の光源にはないさまざまな特徴がある。

従来型照明である蛍光灯、白熱灯と比較して、LED照明の特徴は、指向性がある(一方向に光が進む)、発光波長が可視光線のみ(赤外線を発しない)、意匠性が高いなどの特徴がある

 まず、長寿命であること。一般的なLEDで、白熱灯の約50倍、約5万時間の寿命を持つ。寿命が長いため、交換の手間も軽減される。また、発光効率が高く、白熱灯と比べ大幅な省エネが実現する。

 さらに、発光部がきわめて小さいため、照明器具のコンパクト化が図れ、デザインの幅も広がる。また、発する光に熱線や紫外線をほとんど含まないため、絵画や衣料品、食品などへのダメージが少なく、虫が寄りにくいというメリットもある。

野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エクイティ・ストラテジー・チーム ヴァイス・プレジデント 横山恭一郎氏

 こうした特長を生かし、LED照明は商業施設、屋外、住宅、オフィス、自動車、信号機など、多くの用途に用いられている。

 現在、光源として広く使用されている白熱灯は、エネルギー効率の低さから、EUや米国、日本でも販売禁止にする動きが広がっている。白熱灯と同様に多用されている蛍光灯は、材料に有害な水銀が使われるため、環境への影響が懸念されている。こうした従来型光源の代替品としてLED照明への期待は高い。つい最近までは「LED照明は省エネ・長寿命だが価格が高い」という認識が一般的だった。しかし、ここ最近でその認識も変わり始めた。

 「LED電球は、この1年ほどで一気に低価格化が進みました。2年前に1個1万円台だった電球が、今や1000円台のものも出ています。デザインや機能のバリエーションも増え、色の見え方についての課題も改善されました。白熱電球が切れたら次はLEDにしよう、と多くの消費者が自然に考えるようになっているのだと思います」(横山氏)

 住宅における手軽な節電方法として、LED照明に注目が集まっているというわけだ

 店舗やオフィス分野では、主に新設時を中心に導入が進んでいる。こうした施設では設置している照明の数が多いため、交換の手間もそれに応じて大きくなる。LED照明ならば長寿命であるため、理論的には設置後10年以上は交換する必要がない。初期コストは高いが、ランニングコストを考慮すればLED照明の経済合理性は圧倒的だ。

 たとえばコンビニや飲食店のような営業時間の長い店ほど、省エネ効果から受ける恩恵は大きい。新築されるビルや商業施設では、照明全体のうち7割以上をLED照明が占めるケースも増えている。

1
nextpage


広告企画

「広告企画」

⇒バックナンバー一覧