世界最大やアジア最大の展示会・見本市が数多く開催される香港。中国や欧米など世界中から出展者やバイヤーが集まるので、海外向けの販売や海外からの調達が効率よくできる。日本から飛行機で4時間と近いのも魅力だ。

「東日本大震災の影響で5~6月に香港で開催された展示会・見本市に参加した日本企業はいったん減少しました。ところが7月以降は、むしろ昨年を上回る数の日本企業が参加しています。震災を機にグローバル市場における販売強化・調達のニーズが高まっているようです」と語るのは香港政府観光局の古谷剛シニア マーケティング エグゼクティブ。震災後、不足している製品・部品を海外から調達する動きが加速している。その商談の場として、香港の展示会・見本市が活用されているのだ。

一方、原発事故で海外でも風評被害を受けた日本の農水産物の信頼を取り戻すため、地方自治体や食品メーカーが香港の見本市に参加する動きもある。
「8月中旬に開催された食品関連の国際展示会『フード・エキスポ』には25都道府県から163社・団体が参加しました。これは同展示会の22年間の歴史のなかで最多です」(古谷氏)
なぜ、これほど多くの日本企業が香港の展示会・見本市に参加するのか。それはグローバルな販売・調達の場として香港が理想的な都市だからだ。