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混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー
【第5回】 2011年8月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

“引く”ことで浮かび上がるもの
21世紀型 幸福の新方程式

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日本は経済成長が頭打ちとはいえ、いまだ世界第3位の経済大国である。ただし自殺者は非常に多く、“幸せ”とは言えない状況だ。幸せとは一体何か? 幸せを実感するには、自分の目的や利便を「追求」するのでなく、あえて「引く」――欲望や期待がうずまく自分の「心」をコントロールする必要がある。そして恵まれた現状を正しく認識し、好きなことや貢献することに注力すれば、改めて生きる意味も見えてくる。

自殺者は毎年3万人以上
金持ちだけど不幸な日本人

 「腐っても鯛」だ。少々冴えないとはいえ、日本は今もGDP世界第三位の経済大国である。

 にもかかわらず、今の日本では閉塞感が漂い、幸福感も薄まっている。

 日本は幸せな国なのか? 果たして経済力と幸せは連動するのだろうか?

 それを検証するために、縦軸に経済力(1人当たりGDP)、横軸に幸福度(10万人あたり自殺者数)をとって先進20ヵ国の位置づけを示してみた。幸福度を自殺率でみるのは強引かもしれないが、「あなた幸福ですか?」みたいなアンケートよりは明確だし比較上、公平だ(図)。

図 経済力と幸福度の国別相関関係

 上図をみるとわかるように、メキシコやブラジルは、お金はないが自殺も少ない「貧乏だけど幸せ」な国。これは印象どおり。

 暗いイメージのあるロシアは、1人当たりのGDPは高くなく、幸福度も高くない(自殺も多い)国。

 ヨーロッパの多くの国は、予想通り、いわゆる「幸せなお金持ち」ということになる。

 ところが日本は、「金はあるが、幸福ではない」というポジションにある。

 日本では、毎年3万人を超える人が自殺の道を選ぶ。もちろん自殺率=不幸、という単純な公式は成り立たないし、日本特有の“ハラキリ”文化も背景にはあるだろう。だがそうはいっても、この相対的な自殺率の高さは、現在の日本人の幸福度がそれほど高くないことを表しているといえないか。

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山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー

「唯ぼんやりとした不安」を理由に、芥川龍之介が自殺したのは35才のときだった。80年以上前の、繊細で複雑な作家の心境と単純に比較はできない。だが現代の若者には、将来への不安感がより広く蔓延しているのではないだろうか。日本の財政は危機的状況にあり、経済も低成長化が加速するなか、個人も国も変化を求められ、将来の見通しは不明瞭だ。たとえば、よい学校へ行き、大企業に入るーーーーそんな、高度成長期に一般的に良いとされた働き方や価値観も大きく揺らいでいる。今、私たちを取り巻く環境はどのように変わろうとしているのか? また、そのなかで生きていくために求められるリテラシーとは何か? グローバル・コンサルティング会社勤務に始まり、起業や事業売却を、30代前半までに経験した山口揚平が、痛感した社会の変化とサバイバル術を語る。

 

「混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー」

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