2000年に創業し、日本初の未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」を提供、累計利用者数は1億人を突破した。6月には新しいカードレス決済「atone(アトネ)」もローンチ、ミッションに掲げる“つぎのアタリマエをつくる”ことを追求する。
柴田 紳
代表取締役社長(CEO)
BtoC、BtoBにかかわらず、あらゆるシーンで利用可能な「後払い決済」のパイオニアであるネットプロテクションズ。今でこそ、フィンテック領域への早期参入、かつ実績を上げている存在として注目されるが、創業時は「実現不可能」と言われたビジネスモデルだった。
柴田紳社長は創業時を振り返り、「不可能といわれたが、少額で債権が分散すれば大数の法則でリスクは一定化し、リピーターが増加すれば未払い率は低減する。理論上は成立すると考えていました」と語る。
加盟店が注文を受け付けると、ネットプロテクションズ(NP)が与信を行い、最短5営業日で入金を行う。代金未回収リスクは100%保証、代金回収業務も全て同社にアウトソーシングできる。事実、「NP後払い」サービスは理論に沿うように成長し、2017年4月時点で導入企業数1万6000社、月間利用ユーザー数は300万人、累計利用ユーザー数は1億人を超え、業界シェアNo.1の“コンビニ後払い”決済となった。
独自のビッグデータと
オペレーションノウハウが強み
「NP後払い」で実績を積み上げた後、11年に企業間取引向けの「NP掛け払い」、15年に訪問型サービス向け「NP後払いair」の提供を開始。前者の企業間取引向けサービスも好調で、導入企業数は1000社以上、利用企業数も100万社を超えている。
こうした実績を通して、同社には大量かつ独自のビッグデータが蓄積されている。1万7000社の加盟店の商取引データは、取引情報&決済情報で、支払い実績を含む精度の高いデータである。
また洗練されたオペレーションノウハウも同社の強みだ。「取引件数が増えると、未回収リスクだけでなくオペレーションの構築もハードルが上がる。請求書発行から入金確認、督促業務に加え、イレギュラーの発生にも対応できる柔軟性のあるシステム構築が求められたのです」と説明する柴田社長。そのため大規模なシステム投資を実施、今では月間300万件以上の取引をわずか90人弱のスタッフで対応する。