合格者数が大幅減の上位校 入試難化で定員割れ解消校も

 今年の入試に大きな影響を与えたのが、合格者数の減少だ。もっとも大きく減らしたのが立命館大で3841人の大幅減だ。昨年に比べて12%も減らした。

 定員を超過すると、ペナルティとして、助成金をもらえないだけではなく、学部の新設などもできなくなる。立命館大は来年、食マネジメント学部の新設を申請しており、定員厳格化に慎重にならざるを得なかったと見られる。この他でも早稲田大2049人、法政大2011人、立教大1578人減など。立命館大や立教大は定員増で募集人員を増やしたが、それ以上に合格者数を絞った。

 早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科)を合計すると1841人減、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)で6893人減だ。早慶上理とMARCHを合わせると8734人減で、ほぼ慶應義塾大の合格者数に匹敵する。1大学分の合格者が減った計算になる。関西でも関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)で7090人の合格者減である。

 志願者が増えて合格者が減ったのだから、入試が難化した。各高校の大学合格実績も、昨年と比べて軒並み減少する結果となった。

 首都圏の私立高の広報担当教諭は「MARCHの数が年々伸びていることをセールスポイントにしてきました。今年も生徒は頑張ったのですが、定員の厳格化によって今年は少ししか増えず、これでは大学合格実績が頭打ちのイメージになってしまいますから、広報ツールには使えず困っています」という。

 一方、この合格者減により恩恵を受けた大都市圏の大学もあった。全体の約45%に上る定員割れの私大の中には定員の厳格化によって上位大学で合格者が減り、その分が流れてきて定員が埋まった大学もあったのだ。

 今の高校生は浪人を嫌うため現役進学志向が強く、合格した大学に入学してしまう場合が多いこともある。ただ、それを良しとせず、浪人する私大文系の受験生も増えたようだ。