あしたのチームが提供する人事評価制度は、企業にどのような利益をもたらすのか。「あしたの人事評価アワード2017」の最優秀賞企業、コプロ・ホールディングスに聞いた。

 コプロ・ホールディングスの「COPRO」とは、コンストラクションとプロフェッショナルの造語、つまり建設業の専門家という意味である。コプロ・ホールディングスは主要グループ会社であるコプロ・エンジニアードの事業会社を傘下に持つ持株会社である。本社は名古屋にあり、北海道から福岡まで全国に11支店を展開、約1200名の技術社員(施工管理者、設計士、CADオペレーターなど)を、大手ゼネコン各社に派遣している。

人事評価制度を導入し社員の「人間力」がアップ業績も昨年比150%上昇、離職率も劇的に低下コプロ・エンジニアードのHP(http://www.copro-e.co.jp/)

 創業は2006年。当初より技術力と人間力を兼ね備えた質の高い技術社員を派遣、マッチングの確かさはもとよりアフターフォローの充実さも定評があり、急成長を続けている。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック、リニア中央新幹線の開通など、インフラ整備の需要は拡大が見込まれており、さらなる成長が期待されている。

「人間力」向上のために人事評価制度を導入

 同社が「あしたのチーム」の人事評価制度を導入したのは2016年4月。創業者である清川甲介社長は、制度導入の理由をこう語る。

「当社では、もともと独自の人事評価制度を運用していたのですが、数字だけの成果主義に偏りすぎて、人材育成の観点が抜けていました。当社の企業理念は『人を愛し、愛される会社』で、創業時から“人間力”を大切にしてきました。その人間力を向上させ、評価する仕組みが必要だと感じていました。また管理社員(内勤社員)も100名近くなり、成果主義には限界が見えていました。そんなとき、あしたのチームを知り、コンピテンシー目標(行動目標)という考え方に共感したのです」

コプロ・ホールディングス 清川甲介 代表取締役 
1977年生まれ。専門学校卒業後、建設会社で現場監督に従事。その後大手建設系アウトソーシング会社にて営業職を経て、26歳で代表取締役に就任。2006年にコプロ・エンジニアードを設立。コプロ・ホールディングス 清川甲介 代表取締役
1977年生まれ。専門学校卒業後、建設会社で現場監督に従事。その後大手建設系アウトソーシング会社にて営業職を経て、26歳で代表取締役に就任。2006年にコプロ・エンジニアードを設立。

 清川社長は、地元建設会社で現場監督を経験、大手アウトソーシング会社で営業を経験、グループ企業の社長を経て同社を立ち上げたという経歴を持つ。その会社員時代に覚えた違和感が、現在の人間力を重視する経営に繋がっているという。

「当時は売上げや利益など、数字ばかりを追求されることに疑問を感じていました。数字も大事ですが、実際のビジネスの現場では人間力が重要です。数字ばかりを追う会社は、いずれでどこかでしわ寄せが来て、成長は止まってしまうはず。売上げや利益は、人が成長すれば結果として付いて来るはずだと思っていたのです」

 ではその人間力とは何か。清川社長は「人間力=自己理解」と定義している。自己への理解を突き詰めないと、人を理解することもできないし、他者から自分がどう見られているのかという現実を受け入れられない。自己理解があって初めて、自己と向き合い、自己を改善することができ、自らの能力を最大限に発揮できると考えるのだ。

 人事評価制度の構築にあたっては、あしたのチームからの提案で、同社が大切にしている、その人間力を中心とした価値観を洗い出し、全社的なコンピテンシーを設定、個別の人事評価制度に埋め込んでいった。

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