週刊ダイヤモンド11月18日号の特集は「右派×左派 ねじれで読み解く企業・経済・政治・大学」。保守とリベラルの対決が鮮明となった衆院選が終わってもなお、「右派・左派」「保守・リベラル」などイデオロギーにかかわる議論が続いている。左派政党の代表格であるはずの日本共産党に対し、若い有権者は「保守」のイメージを抱いているという。しかも、その誤解は一部で現実化している。

 若い有権者は、最も左派色の濃い日本共産党を“保守”と呼び、保守を代表する自民党や日本維新の会を“リベラル”と認識している──。本来の立ち位置とは正反対の政党認識が話題になっている。

 今年7月から8月にかけ、「読売新聞」と早稲田大学が実施した共同調査で明らかになった。この調査結果をまとめたのが、下図である。

 これによると、70歳以上の認識は、最も保守的な方から順番に自民党、次いで維新の会、公明党、民進党、共産党と続き、伝統的なイデオロギー軸と整合性の取れた並び順になっている。

 ところが、これが18~29歳の認識になると、見事に逆転しているのが分かるだろう。さらに30代の共産党に対する認識に至っては、20代より右寄りとなる一方、維新の会はもう一段左に寄っており、認識のねじれはさらにひどくなっている。

 共産党と維新の会のグラフは40代と50代の間で交差しており、50歳前後を挟んで、政党間の対立軸の認識に世代間の断絶があるといえそうだ。