ドイツ国債の札割れ不安
11月23日にドイツの国債入札で札割れが生じて以来、ドイツの金利も上昇する不安が生じている。また、日本でも金利が上昇し、1%を上回る状況になった。
国債は信じられるのか
最近、一部の投資家の議論として、国債は社債よりも「たちが悪い」との見方が生じている。それは、倒産法制も十分でない国家と比べ、倒産法制などの市場での制度が存在する民間クレジットのほうが、わかりやすいというものだ。
過去、デフォルトを生じさせた国家はいくつもあったが、担保で回収されたものも少なく、その国の資産が売却されるものでもなかった。国家の場合、CDS市場も結局十分にヘッジが利かない状況が明らかになった。
ソブリンCDS市場では、ギリシャ国債の債務再編に対して「自発的な」としてデフォルト事由に抵触しないとしたのは、ソブリンCDSの機能否定につながった。したがって、債券のヘッジを行なうには現物の投げ売りを行なうしか選択肢がなくなったのは、無理なCDSへの対応が生んだ副作用とも言える。
一方、格付け機関はこれまでソブリン格付けに比較的高めの格付けを付し、その体系がバーゼルも含めた規制体系にも活用されてきた。
ソブリン・ワールドカップの
「一次予選」は経常収支で行なわれた
これまで国債は、投資理論において「リスクフリー」商品として様々な投資の基点として位置づけられた。今日の投資環境の難しさは、国債のクレジット商品化のプロセスが止まらないことで、投資の基本概念自体が改めて問われる局面にある。