JR東日本は2017年11月20日、オープンイノベーション型のビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム」で採択した7つのビジネス・サービスのテストマーケティングを開始した。そのうちの3サービスはJR大宮駅にて実施。同プログラムの「アクセラレーションコース」で最優秀賞を受賞したサインポストのAI(人工知能)無人決済システムなどがお披露目された。その模様をレポートする。
JR東日本のリソースで
ベンチャーの事業化を支援
「JR東日本スタートアッププログラム」は、ベンチャー企業やスタートアップなど、さまざまな技術やアイデアを持つ企業から、駅や鉄道、JR東日本グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラム。2017年4月から提案の募集を開始した。
同プログラムのカテゴリーは「アクセラレーションコース」と「インキュベーションコース」の2つに分かれており、「アクセラレーションコース」は、すでに自社の製品・サービスまたはプロトタイプを有する、おおむね起業10年以内の企業が対象。提案が採択された企業は、JR東日本グループとの協業によるテストマーケティングが実施できる。一方、「インキュベーションコース」は、起業目前、または起業間もないスタートアップを対象とし、JR東日本の協力・支援のもと事業構想の具体化を目指すコースである。
プログラム初年度となる今回の募集では、「アクセラレーションコース」に133件、「インキュベーションコース」には104件の提案が寄せられ、前者は11件、後者は8件が採択された。さらに、JR東日本および伊藤元重氏(東京大学名誉教授、学習院大学国際社会科学部教授)、フィリップ・誠慈・ヴィンセント氏(アクセラレーター兼投資家、Plug and Play Japan日本代表)らの審査によって、「アクセラレーションコース」の最優秀賞にサインポストの「ディープラーニング技術を応用した商品認識によるレジレス化を実現」、「インキュベーションコース」の最優秀賞にはカタリストの「埋め立て処分していた焼却灰を金属触媒と遠赤外線で資源化」が選ばれた。
JR東日本は、「アクセラレーションコース」で採択された11件の提案のうち、7件のテストマーケティングを2017年11月20日に開始。そのうち、最優秀賞を受賞したサインポストのサービスと、バカンが提案した「レストランや駅窓口の混雑状況をワンストップで伝達」、バックテックが提案した「十人十色の腰痛に、フィットしたプログラムを提供」の3つがJR大宮駅でお披露目された。