多数の仏メディアで話題となった全仏ベストセラー!
世界22ヵ国で翻訳された猫に教わる人生指南書の日本語版『猫はためらわずにノンと言う』がこのたび遂に刊行された。
他人の目は気にせず、決して媚びず、欲しいものは欲しいと言い、プレッシャーに屈せず、エレガントで自信に満ち、ひとりでも平気…子猫の時に事故にあい、左前足を失くした猫ジギーが、そんなハンディキャップをものともせず、むしろ「それが何か?」と気にもかけずに振る舞う姿は、常に他人の目を気にして、何かに追い立てられ、せわしく動きまわっている人間たちに、自分らしく生きるために本当に必要なことは何かを伝える本書から、一部抜粋して紹介する。
猫を飼っている人、猫好きな人だけでなく、猫のように、そこにいるだけで自然と一目置かれる存在になりたい人にも役に立つ!
何気なく見ていた猫たちの日常の仕草には、猫だけが知る深い人生哲学が込められていた!明日から、猫を見る目が変わります。

欲しいものが必ず手に入る、
極めてシンプルな方法

私たちは猫を飼っているのではなく、猫に飼われているのだ。(フランソワーズ・ジルー/ジャーナリスト、作家)

 猫は何かが欲しい時、回りくどい表現をしないし、欲しいものが手に入るまでとことんあきらめない。

 たとえば猫の餌を変えようとした時、それが猫の口に合わなかったらどうなるか。
 プイッと横を向いてしまうのはいいほうで、下手すると餌入れを引っくり返してしまうだろう。
 そんな時、こちらはすごすごと引き下がるほかない。新しい餌を戸棚の奥にしまい込んで、いつものやつを出してやることになるのだ。

 また、夕方になったから家に呼び入れようとしたって、猫にその気がなければ無視されるのがオチ。呼ばれても、あなたの足元の花の陰でじっと息をひそめている。
 猫は「うるさいなあ」くらいにしか思っていないようだ。

 猫という生き物は、いやなものはきっぱり拒否、ガンコでしつこく、何が欲しいかがはっきりしていて妥協しない。
 こんな性格は猫が一流のハンターだったことを思い出させる。狩りの時には粘り強く、絶対にあきらめない。狙った獲物は逃さないのが鉄則だ。

 私たち人間はどうだろう。
 さまざまな事情に「配慮」しているうちに、欲しいものをあきらめてしまうことがよくある。
「欲しいものはよくわからないけど、欲しくないものはわかる」なんて言う人もいる。
 この言葉はいただけない。こう言いながら人は、本当に欲しいものは「わからない」のではなく「どうせ得ることができない」と自分の気持ちをごまかしているのだ。

  他人が勝手にあなたにもつイメージに満足し、期待される役割をそっくり果たしたからといって、それでよいのだろうか。

 私たちは、自分らしく生き生きと暮らすのにどうしても必要なやる気や欲望を、たくさんの「配慮」の中で忘れてしまっているようだ。
 それを取り戻すために、自分が「本当は何が欲しいのか」と、正直な胸の内を定期的に自分自身に問いかけてみる必要がある。

 自分が欲しいものが何かわかったら、次はそれを手に入れる方法を考えることだ。
 いろいろ思い悩むより、自分の気持ちに素直に、ストレートに頼んでみれば案外うまくいくかもしれない。「猫のことは猫と呼べ」ということわざだってある。シンプルが一番なのだ。

 私たちはいつの頃からか、周囲を気にするあまり、言いたいことをはっきり言ったり欲しいものの名前を口に出したりする代わりに、遠回しに回りくどく話すことしかできなくなってしまった。そのせいで疲れ果ててしまっているのに。

 猫は自分が「本当は何が欲しいのか」、ちゃんと知っている。そして、「本当に欲しいものだけを得る」というきわめてシンプルな生き方を生活にくまなく徹底している。

 率直でいよう。
 そのものの本当の名前を呼ぶことを怖がらない、ダイレクトに主題に切り込む、本当のことを本当だと言う、欲しいものを欲しいと言う。
 率直になれば、エネルギーも時間も節約できるのだ。

 ところで、私たちには猫より有利な点が一つある。
 猫は自分の欲しいものがはっきりわかっているが、それを要求するには、にぶい人間がわかってくれるまで態度で示し続けるか、さもなくば行動に出るしかない。

 でも私たちには、要求もお願いもできる言葉という手がある。これはちょっとした幸運ではないだろうか。

心の中で思い悩んでいないで、シンプルにいこう。
誰かに率直にお願いすればいい。
「欲しい、できる、やる!」をモットーにすれば、
人生はもっと自信に満ちたものになる。

猫のピンと張ったヒゲのようにね。