あのイチローも在籍していた「オリックスブルーウェーブ」(当時:現オリックスバッファローズ)や、「ガンバ大阪」といったプロスポーツチームのキャラクター、オリジナルコーポレートマークの制作など、これまでに数多くのキャラクターに命を吹き込んできた、松下進氏。マガジンハウス「ポパイ」や「週刊ファミ通」といったメジャー雑誌の表紙のデザインも手掛けてきた同氏は、日本のみならず、海外でも高い評価を受けている。その松下進氏が考え、実践する一流の仕事をするための条件を探るべく、お話を伺った。(聞き手/船井総合研究所:小林昇太郎、撮影/蛭間勇介)

物心ついた頃から
絵を描くのが好きでした

松下進(まつした・すすむ)/株式会社ススム マツシタ エンタープライズ社長。1950年2月6日東京生まれ。エアブラシを駆使した独自の技法を用いるキャラクター作家として、雑誌のカバーイラスト、広告用のキャラクター、ゲームコンテンツ、アニメーションキャラクターデザインなどを通して、数多くのキャラクターを世に送り続けている。東京イラストレーターズソサエティ会員。ニューヨーク・ソサエティ オブ イラストレーターズ会員。公式ホームページ
Photo by Yusuke Hiruma

――松下さんがどういったキッカケでイラストレーターになられたのかを教えて頂きたいのですが、まずは、どのような少年時代を過ごされたのでしょうか。

 親から聞いた話ですと、まだ物心つかない頃から、絵を描くのが大好きな子どもだったようです。昔から家の前の石畳の舗道いっぱいにロウセキを使って絵を描いていたそうです。

――なるほど。その頃から既に現在の片鱗が見られますね。実際に絵を描く時に当時のテレビやマンガなど、松下さんに影響を与えたものは何かあったのでしょうか。

 記憶に残っているのは『少年ケニヤ』という絵物語形式の本ですね。これは山川惣治氏という作家が描いているんですが、私の父がその作品を大好きで、一緒に私も夢中になって見ていました。写実的な絵で恐竜なんかも出てきて、その影響も大きいと思いますね。

――『少年ケニヤ』は私の生まれる前のアニメですが、昔のテレビやアニメを紹介する番組で何度か見たことがあります。どういった経緯で、絵を描くことを仕事にしたいと思うようになったのでしょうか。