1986年の創業以来、金融系に特化したシステムインテグレーション事業を展開してきたコスメディア。三大メガバンクの市場系システムを直接契約で請け負うベンダーとして希有な存在で、プロジェクトには上流工程から参画、PMOとして全体を支援している。

コスメディア
田中 斎 代表取締役社長

 銀行は"IT装置産業"といわれ、システムがなければビジネスが成り立たない産業である。例えばメガバンクには情報システムが機能的におよそ500ほど存在するという。その中でコスメディアが得意とするのは、"資金証券業務"と"リスク管理業務"の分野である。

 同社の田中斎代表取締役社長はこう説明する。「銀行の三大業務は、預金・融資・為替であり、それら"勘定系システム"の開発を行うベンダーは多くいます。しかし当社が得意とする"市場系システム"の取り扱い金融商品は、資金、為替、金利、債券、デリバティブであり、これらの理論価格やリターンの算定を行います。

 一方"リスク管理システム"では、グローバル化や多様化により複雑に組み合わさった金融商品の、リスクの計測・分析とマネジメントを行います。これら両システムを担うSE(システムエンジニア)には、高度で専門的な金融工学の知識と幅広いIT知識が要求されるため、参入障壁が高く、競合のプレーヤーが少ない。だからこそ、この分野に強い当社はメガバンクから高く評価されているのです」

"かゆい所に手が届く"密着型サービスを実施

 同社には、高度な業務知識とコンサルティングスキルを有したSEが顧客と一緒になってシステム化構想や要件定義を推進してきた経験や、顧客の立場と目線でSIベンダーやハードベンダーをコントロールしてきた実績がある。このような強みのベースには、小規模企業の戦略セオリーである「選択と集中」を徹底してきたことがある。

「ニッチ領域に絞り込むことで、こと人材採用においては明確かつ的確な採用が実現でき、人材育成については、無駄なく、効率的・効果的な経営資源の投入が実現できました。お客さまとの関係構築も、お客さまを大手さまにフォーカスしたことで、SE一人一人がお客さまと向き合い、課題解決をするITビジネスパートナーとしての自覚と責任を持っています」と田中社長は胸を張る。