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山田厚史の「世界かわら版」

刻々と迫るミサイル発射
北朝鮮を変える日本の役割は何か

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第6回】 2012年3月29日
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 「弾道ミサイル」を弄(もてあそ)ぶ北朝鮮とどうつき合えばいいのか。彼らには「弄ぶ」などという感覚はないだろう。国威発揚の大事業だ。新指導者の存在を内外に誇示し、国家の存亡をかける軍事的挑発である。

 日本から見れば、大した軍事技術でもないし、周辺国との緊張を煽るバカげたことに映るが、彼の国では「これが我が国の生きる道」とでも考えているかのような国策である。友好国の中国やロシアも「発射中止を」と伝えたというが、応ずる姿勢を見せていない。親しいといっても中国もロシアも核保有国である。「やめた方がいい」という親切めいた助言の裏に、「新たな核保有国は認めない」という身勝手さを読みとっているのではないか。

 各国の制止に、どう対応するのか。金正恩体制を判断する手がかりになる。強行なら軍部を抑え切れていない現れであり、見送れば打算と駆け引きの「瀬戸際外交」が続いていることになる。

 いずれにせよ、そんな北朝鮮を「何をしでかすか分からない恐ろしい国」と思うのが日本人の一般感情だ。しかし嫌ったり、恐れたりするだけでは事態は好転しない。

課題は北朝鮮の「無害化」

 課題は北朝鮮の「無害化」である。そのためには北朝鮮外交を根本から見直すことが必要だと思う。

 結論から言えば、「日本型太陽政策」への転換である。以下、その理由を説明する。

 日本の政策目標は「北朝鮮の無害化」。武力攻撃せず、拉致や挑発をしない「普通の国」になってもらうこと。そんなこと日本に出来るものか、と疑う人は多いと思う。だが安心して暮らすのには必要なことだ。近隣にある不安要素は時間がかかっても取り除かなければならない。

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


山田厚史の「世界かわら版」

元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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