SNS上のソーシャルゲーム開発・配信などを行うKLab(クラブ)社長、真田哲弥の起業家としての軌跡は、まさしく波瀾万丈であった。
大学時代、スキーと自動車免許合宿をセットにした学生ツアーのあっせん事業を始めたところ、人気を博し、会社設立後わずか2年で売上高は5億円に上った。
しかし、この間、運営方針をめぐって学生たちが分裂。1988年3月、真田は会社を去り、同時に大学を中退した。
それから約1年がたったある日、「NTTが面白いサービスをやるらしい」との話を耳にした。電話回線を使った情報サービスで、その情報料金をNTTが徴収代行するという。後の「ダイヤルQ2」である。
それを聞いた瞬間、商機を直感した。約3ヵ月間で事業プランを作り上げると、すぐさま起業の準備に取りかかった。
ダイヤルQ2は、当初、約200回線しかなく、申し込み多数の際は抽選だった。そこで学生数百人を集めて申し込み、回線をほぼ独占してしまった。
89年9月、ダイヤルQ2による情報提供サービス会社のダイヤル・キュー・ネットワーク(DQN)を設立。次々に人気コンテンツを打ち出した。
業績が倍々で拡大する中、全国にインフラ拠点を構築。破竹の勢いで急成長した。
時はバブル全盛期だった。銀座で一晩に300万円を使うなど、生活は一変した。
Q2の社会問題化で資金繰りに窮し
天国から地獄へ
だが、好事魔多しである。
アダルト番組による高額請求や偽造テレカによる情報料の詐取事件など、ダイヤルQ2が社会問題化する中、NTTは公衆電話からの利用を中止した。