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金融市場異論百出

100周年を迎えたFRB
QE縮小で始まる海図なき航海

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年1月15日
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 2013年12月23日にFRBは創立100周年を迎えた。ウォール街では、記念特別展が開催されている。

 100周年の直前、12月18日にFRBはQE3の縮小開始を決定した。これにより、世界の金融市場に出回っていた流動性がタイトになるという見方がある。皆がそう思って警戒的に取引を縮小していけば、「合成の誤謬」が生じて流動性が細くなる可能性はある。しかし、FRBが供給するお金の量は、実際のところ、まだまだ当分の間、凄まじくジャブジャブだ。

 現在の準備預金残高は2.5兆ドルだ。本来は700億ドル程度あれば足りる(準備預金所要額)。つまり、FRBは必要量の36倍もの資金を市場に供給している。QE3が終了するまでそれは増加し続ける。仮にFRBがQE3を14年10月に終わらせたら、準備預金は約3兆ドル、必要量の43倍に達する。

 QE3が終わってもFRBは資金吸収を始めない。FOMCメンバーによるゼロ金利解除時期の予測の中心は、現時点で15年第3四半期頃だ。3兆ドルという空前の準備預金残高はそこまで維持され得る。しかも、利上げが始まっても準備預金は急激には減らないだろう。本来、FRBはQEで購入した長期国債やMBS(住宅ローン担保証券)を市場に売却して資金吸収を進めたい。しかし、それらの売却はFRBの存続を揺るがすほどの巨額損失を発生させる。

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