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バブルに踊った「亀田後遺症」から、ボクシングは再生できるか

城島 充 [スポーツライター]
【第3回】 2008年2月19日
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亀田バブルはボクサーをタレント扱いするテレビ局の視聴率至上主義だけでなく、リングをとびかう札束の相場を上げてしまった。「日本は金のなる木」と考える海外プロモーターが以前に増して多くなったという。

内藤の防衛戦は日本で。
ファンには朗報だが…

 亀田三兄弟の次男、大毅選手を初防衛戦で破って国民的な人気を得たWBCフライ級王者の内藤大助選手(宮田)の2度目の防衛戦が3月8日、東京・両国国技館で前王者のポンサクレック・クラティンデーンジム(タイ)を相手に行われることが決まった。

 当初はあと1試合のオプション(興行権)を持つ前王者の地元・タイで開催される予定だったが、内藤陣営がオプションを買いとって日本開催にこぎつけた。

 敵地で戦うリスクを回避できた内藤だけでなく、日本のファンは人気王者の防衛戦を身近で応援できる恩恵に浴したわけだが、日本のボクシング界を広い視野で見つめると、今回の流れは決して手放しで歓迎すべき事態ではない。

「オプション」という不思議な慣習

 「オプション」とは、ボクシングの世界タイトルマッチに慣例として存在している権利だ。わかりやすくいえば、世界タイトルに挑戦するとき、王者側が「うちの世界王座に挑戦させてあげるから、もし、あんたのところのボクサーが勝っても、○回分の防衛戦はうちのほうでいつどこで、誰とやるのか決めさせてもらう」という約束だ。

 たとえば、内藤が3度目の挑戦でポンサクレックからベルトを奪取したとき、敗れたポンサクレック陣営は2試合分のオプションを保持していた。つまり、挑戦を受けるかわりに、2度目の防衛戦までは前王者側が挑戦者を選べるというカードである。陣営がこのオプションを行使した場合、ポンサクレックと同じ人物がマネージャーを務めるタイ人のランキングボクサーが初防衛戦の相手として有力視された。

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城島 充 [スポーツライター]

1966年生まれ。産経新聞の社会部記者を経てフリーに。戦前に来日したフィリピン人ボクサーの悲哀を描いた「拳の漂流」(講談社)でミズノスポーツライター最優秀賞、咲くやこの花賞を受賞、近著に卓球界の巨星・荻村伊智朗の生涯を卓球場の女性場主の視点から描いた「ピンポンさん」(講談社)。「Number」誌などに多数のノンフィクションを発表している。


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