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資格取得や就職も大切だが、やはり自分自身の好きなことを深く学びたい。一方で、グローバル化に対応できる人材として成長したい――今、大学を選ぼうとする受験生は、そんな気持ちが強いようだ。こうしたニーズに応え、新たな取り組みを続ける大学の注目点はどこか。最新の動向を、大学通信の安田賢治常務に聞いた。 

大学通信 情報調査・編集部
ゼネラルマネージャー
安田賢治 常務取締役

1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信に入社。中学受験から大学受験まで幅広くカバーし、さまざまな情報を、書籍、情報誌を通じて発信するとともに、セミナー、講演なども多数行っている。私立学校のコンサルティングにも協力し、学校経営の内実に詳しい。著書『笑うに笑えない大学の惨状』(祥伝社新書)ほか。

 「このところの大学受験では、いわゆる理高文低、理系学部の志望者が増えています」と、大学通信の安田賢治・常務取締役は明かす。そうした変化を背景に、各大学では理系学部・学科の新設が相次いでいる。

 「しかも、名称が工学部、農学部などと伝統的で分かりやすいのが特徴ですね」と、安田常務。片仮名を多用するなど何を学ぶか一目では分かりにくい名称が多かった以前とは、傾向が異なってきたというのだ。

 とはいえ、新設学部の学究対象には先進の知見が組み込まれると期待できる。「例えば、工学部で情報工学と人間科学を融合したり、農学部で栄養学と栽培技術の複合研究を行ったりと、従来の学術領域にとらわれない学際的な分野を志向する大学が多くなっています」と語る安田常務は、新設学部の教員の意気込みにも言及する。

 「新しい学部、学科をつくるというのは、教員にとっても得難い体験です。他にはない自分たちの大学だけにある学究分野を探究する意欲にあふれた場は、学生にも良い刺激を与えるのではないでしょうか」

 さらに、入試科目などの変化も見られる。「理科や数学の負担を減らして、広く学生を受け入れようとする大学が少なくありません。女子の理系志望者が増える一因ともなっているのではないでしょうか」

実用的な英語教育や
留学制度に期待

 こうした大学側の新しい動きがある一方で、受験生側の意識はどうなっているのか。大学通信の2014年の調査によると、生徒に人気があるのは「自分のしたい勉強ができる大学」がトップで、5年前の調査と変わらない。資格取得や就職に有利かなどが重視される傾向も維持されている(表1)。

 この中で「注目したいのは、留学制度や国際交流に関する項目が10位以内にランクインしていることです」と、安田常務は指摘する。「受験英語ではなく実用的な英語を大学で学びたいと考える受験生が増えました。特に、理系志望者にもそうしたニーズが高まってきたように思いますね」。

 大学の改革に対する評価も同様だ(表2)。就職や資格取得に関する取り組みの強化に期待する受験生が多いことが分かる。

 また、入試科目の負担減が注目されるとともに、高校までの学習と大学での学びのギャップを埋めるリメディアル教育(補習教育)などの学習支援へのニーズも強まっている。入試に大きな負担を強いられることなく、自分のしたい勉強を実現したいという受験生のニーズに応える大学の改革は、おおむね支持を集めているといっていいだろう。

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