処女作『ピーター・リンチの株で勝つ[新版]』に続く第二弾! 読者がもっとも興味のあった「ピーター・リンチがどのようにして、資産を増やしていったのか」という疑問に答える中身になっています! 新訳版として、さらに読みやすくなり、黄金律は5つ追加され、25の黄金律として収録。本書より、ピーター・リンチの投資戦略が垣間見られるエピソードを全5回にわたって紹介。
新刊『ピーター・リンチの株の法則 90秒で説明できない会社には手を出すな』の連載第1回。

株か、それとも株式投信か

ある意味で、株式投信と個別株との間に違いはない。どちらも保有し続けることが利益を得る唯一の方法だからだ。これには強い精神力が必要だ。怖じ気づいて株から手を引いてしまうかもしれないという問題は、株式投信を買っても解決されない。

 最高の運用成績をあげていた投信が、相場の調整局面で平均株価以上に下落することはざらにある。私がマゼラン・ファンドを運用していたときには平均株価が10%以上下がった局面が9回あったが、マゼランは常にそれ以上に価値を下げ、相場が反発するとそれ以上に価値を上げるという状況だった(これについては本書で確認していただきたい)。この回復局面から利益を手にするには、とにかく市場に踏みとどまる必要があった

 私はマゼランの投資家に宛てた手紙の中で、この船は大波を受けて水浸しになることがあると警告した。人間という生き物は、あらかじめ災難に備えておけば、それが実際に起こっても(嫌な思いはするかもしれないが)冷静さを失わずに済むという理屈からだった。ほとんどの投資家は冷静さを維持し、マゼランを持ち続けたと思う。ただ、そうでない人もいた。

 かのウォーレン・バフェット氏は、持ち株が半値になる状況に耐えられない人は株に投資するべきでないと語っているが、これは株式投信にも言えることだ。

自分の投信があっという間に20~30%値下がりする状況に耐えられない人は、成長株ファンドや一般的な株式投信に投資するべきでない

 おそらく、株と債券の両方に投資するバランス・ファンドか、株と債券の割合を機動的に変えるアセット・アロケーション・ファンドを選ぶべきだろう。

 どちらも、成長株にのみ投資する成長株ファンドに比べれば価値の変動が小さいからだ。もちろん、最終的な利益もその分少なくなるのだが。


第2回「買いシグナルをどうして見逃してしまったのか?」は、4/6(月)配信予定です。