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社内プレゼンの資料作成術
【第17回】 2015年10月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
前田鎌利

「10秒でわかるスライド」をつくる技術(1)
スライドづくりは、「Zの法則」を意識する!

社内プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、多くの人が苦手ではないでしょうか?何度も却下されたり、差し戻しにあったり……。そこで、ソフトバンクで孫正義氏から「一発OK」を何度も勝ち取った著者が、秘伝のノウハウを詰め込んだ『社内プレゼンの資料作成術』を発刊。大きな反響を呼んでいます。この連載では、本書から、シンプルな資料で100%の説得力を生む、「超」実践的なノウハウをピックアップしてお伝えします。

スライドサイズは「4:3」を選択する

 社内プレゼンの資料において大切なのは、見た目の美しさではありません。何よりも優先すべきなのは、わかりやすさ。パッと見た瞬間に、そのスライドが何を意味しているのかを把握できるものが、優れたプレゼン資料。そのために、押さえておくべきことを、これからお伝えしてまいります。

 まず、スライドのサイズ。プレゼン・ソフトの初期設定はだいたい「4:3」になっているので、その設定を変更しないようにしてください。

 「16:9のサイズほうが臨場感があって見栄えがいい」とサイズ変更する人がいますが、それはやめたほうがよいでしょう。「16:9」のワイドスクリーンが適しているのは、トップが社員を鼓舞するときや対外的に経営ビジョンを伝えるとき、あるいは株主総会などの場でプレゼンするときだけです。エモーションに訴える必要のない通常の社内プレゼンでは、見慣れている「4:3」のサイズのほうが違和感もなく、見やすく感じます。

タイトルは「13文字以内」で簡潔に

 スライドには必ず表紙をつけるようにしてください。
 タイトルをスライドのど真ん中に大きく表示します。表紙が映し出された瞬間にテーマがわかれば、決裁者も話を聞くモードに入りやすくなります。

 タイトルは一目で理解できるように、できるだけ短くつけるのがコツです。タイトルやキーメッセージは「13文字」以内が原則。「店舗来客数を増加させる方策のご提案」などと文章で書くのではなく、「店舗集客の改善提案」などと簡潔にまとめるようにします。

 また、「店長研修実施の提案」などと「提案内容」をタイトルにもってくるのではなく、「店舗集客の改善提案」のように、解決すべき「課題」をタイトルにするのがよいでしょう。タイトルで、いきなり「店長研修実施」という解決策を提示しても、決裁者は「何のためのプレゼンだろう?」と不可解に思うからです。タイトルでプレゼンの「目的」を示す、と考えればいいでしょう。

 また、表紙で忘れてはならないのが「会議名」と「日付」を明記することです。タイトルの左上に会議名、真下に発表日の日付を入れてください。これは、思いもよらない「事故」を防止するためにも必須のポイントです。というのは、社内プレゼンは決裁が通るたびに、部門会議、局会議、取締役会議など、発表の舞台が複数に及ぶことが多いからです。その度に、修正指示が入ったり、ブラッシュアップするために、資料に手を入れていかなければなりません。つまり、いくつものバージョンが生まれるのです。

 そのため、必ず会議名や日付を入れておかないと、プレゼン本番でうっかりバージョンが1つ前のプレゼン資料を開いてしまったり、どのファイルが最新のバージョンなのかがわからなくなってしまうことがあるのです。そのような事故を防ぐためにも、必ず「会議名」と「日付」を記入するクセをつけてください。

ページ番号は「スライド右下」に入れる

 ページ番号は地味な存在ですが、スムースなプレゼンをするうえで欠かせない重要な役割を担っています。ですから、スライドを立ち上げたら、まず設定する習慣をつけましょう。

 ページ番号の役割とは何でしょうか?
 正確で的確なコミュニケーションをするためのツールです。たとえば、プレゼン中に、決裁者がもう一度確認したいスライドがあったとします。ページ番号が振ってあれば、「3ページに戻って」と指示できますが、ページ番号がなければ、「いや、そのスライドじゃなくて、さっき見た競合他社の売上推移のグラフに戻って」などという指示になってしまいます。ストレスフルなコミュニケーションになってしまうのです。

 これは、プレゼン中だけの問題ではありません。たとえば、ドラフトとしてつくったスライドを上司にチェックしてもらうとします。このときに、ページ番号を振っていないと、上司が修正箇所を指定するのが大きな手間になってしまいます。ミスも起こりやすいでしょう。メールで資料修正のやり取りをすることが多ければなおさらです。だから、必ずページ番号を振ることを忘れないようにしてください。

 ページ番号を挿入する場所はスライドの右下です。
 人の目の動きには「Zの法則」があります。何かを目にしたとき、その全体を把握するために、人の目はZの形で動くという法則です。ウェブページでも、書店の棚でも、無意識に左上から右に、そして左下から右へと目線を動かしているのです。つまり、スライドの右下のスペースは、目線が最後に行きつく場所なので、そこにページ番号があっても、決裁者がスライドの全体を把握する邪魔にならないというわけです。

 ページ番号を中央下に置く人もいますが、私はおすすめしません。そこに置いてしまうと、グラフやメッセージ、ビジュアルなどを配置するうえで制約となってしまうことがあるからです。限られたスペースをできるだけ有効に使うためにも、ページ番号は右下に置くのがベストなのです。

 なお、なかには「1/30」(全30ページのうちの1ページ目)とページ番号を打つ人もいますが、私は、その必要はないと考えています。たしかに、何十ページも資料があるときには、そのようにページ番号を振る意味もあるでしょうが、5~9枚の社内プレゼン資料には不要だからです。むしろ、少しでもスライド上の情報量を減らすためにも、単に「1」「2」とページ番号を表示するのが望ましいと思います。

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前田鎌利 

まえだ・かまり 1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも数多く担当した。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、株式会社ベネッセコーポレーション、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開している。


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