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社内プレゼンの資料作成術
【第16回】 2015年10月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
前田鎌利

孫正義氏が「一発OK」を連発したプレゼン術
いきなりスライドを作り始めると「効率」が悪い!

社内プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、多くの人が苦手ではないでしょうか?何度も却下されたり、差し戻しにあったり……。そこで、ソフトバンクで孫正義氏から「一発OK」を何度も勝ち取った著者が、秘伝のノウハウを詰め込んだ『社内プレゼンの資料作成術』を発刊。大きな反響を呼んでいます。この連載では、本書から、シンプルな資料で100%の説得力を生む、「超」実践的なノウハウをピックアップしてお伝えします。

まずは「一人ブレスト」でスライド・イメージを磨く

 プレゼン資料の作成を始めるとき、いきなりPowerpointやKeynoteなどのプレゼンソフトを立ち上げてはいけません。

 まずは、紙とペンを用意して、これまで企画・事業内容を検討する過程で集まったデータを書き出すことで、頭の中を整理するようにしてください。いわば「一人ブレスト」をするわけです。闇雲につくり始めるより、よほど効率的に適切な資料をつくり上げることができるでしょう。

 下のようなフォーマットに、書き込んでいくと便利です。
「課題」「原因」「解決策」「効果」のストーリーに沿って、「結論」と「根拠(データ)」「ビジュアル(スライドに掲載する写真など)」を書き出していきます。

 まずチェックすべきなのは、「課題」「原因」「解決策」「効果」に書いた内容が、「なぜ?」「だから、どうする?」「すると、どうなる?」という因果関係でつながっているかどうか。企画・事業の検討段階で何度も確認したはずですが、この段階で「どうも、おかしい」「何か足りない」ということに気づくこともありますので、必ず、再度じっくり確認するようにしてください。

 そして、それぞれの「根拠」を書き出していきます。1つの「結論」に対して複数の「根拠」があることもありますが、それもすべて書き出します。なぜなら、根拠を一覧することで、「どれが重要な根拠で、どれが補足的な根拠なのか」、すなわち「コトの軽重」がだんだんと見えてくるからです。

 「コトの軽重」が見えてきたら、不要な要素を二重線で消したり、本編スライドに入れる要素に「○」、アペンディックスに入れる要素に「△」をつけるなどするといいでしょう。この作業をするなかで、これからつくるべきスライドのイメージが明確になってくるはずです。

 また、この段階で、スライドに使うビジュアルなどの要素も、思いつくままに書き出しておくと便利です。このあと、実際のスライドをつくるときに、メモに書き出したものを見ながら手際よく必要なビジュアルを集めることができるからです。

関係部署のスタッフとブレストをする

 「一人ブレスト」でプレゼン資料のイメージが見えてきたら、上司や先輩に見せて意見をもらうのはもちろん、できれば、関係部署のスタッフを集めてブレストをする機会を設けると万全です。

 関係部署のスタッフとのブレストには、2つの意味があります。
 まず第1に、他部署の視点でチェックしてもらうことで、「抜け漏れ」がなくなるとともに、思いもよらないアイデアを提供してくれたり、「このデータより適切なデータがある」などとアドバイスをしてもらえることがあります。

 第2に、これによって関係部署のコンセンサスを得ることができるという意味があります。これは、重要なポイントです。いくら企画・事業の検討段階で相談をしていても、いざプレゼンという段階で彼らの最終確認を取っておかないと、思わぬ“ちゃぶ台返し”を食らう可能性があるからです。丁寧にコンセンサスを取っておくことが、採択率を高めることにつながるのです。

 それだけではありません。この段階で確認を取っておくことは、「実際に採択されたら、あなたの部署を巻き込むことになります。そのときはよろしくお願いしますね」という宣言にもなります。関係部署とのブレストによって、実施段階の協力度合いにも大きな差が生まれることがあるのです。

 なお、ブレストの人数もマジックナンバー「7±2人」を意識してください。この人数を超えると議論がうまく回りませんから、その範囲内で関係者を集めます。そして、30分なら30分と時間を区切ることで、参加者の時間的な負担を減らすとともに、集中したブレストを心掛けるといいでしょう。

 もちろん、多忙な関係者を一堂に集めるのが難しいときもあります。そのときは、ひとりずつ回って確認をとっていくようにしてください。メールで確認することも可能ですが、できるだけ面と向き合ってコミュニケーションをとるほうが効果的だからです。

 このステップを経たうえで、はじめてプレゼンソフトを立ち上げます。
 私は、まず、手書きメモにある要素をすべてスライド化するようにしていました。この段階では、盛り込むべきテキストとグラフ(加工前の元データ)を貼り付けただけのスライドで十分です。その状態で、本編スライドをストーリーに沿って並べるとともに、本編に入らないスライドをアペンディックスとしてストックしていきます。そして、ある程度のカタチになってから、本編スライドを1枚1枚、パッと見た瞬間に理解できるシンプルなスライドに加工してくのです。

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前田鎌利 

まえだ・かまり 1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも数多く担当した。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。著者のプレゼンテーション術を実施した部署で、決裁スピードが1.5~2倍になることが実証された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。ソフトバンク、ヤフー、株式会社ベネッセコーポレーション、大手鉄道会社などのプレゼンテーション講師を歴任するほか、全国でプレゼンテーション・スクールを展開している。


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