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「顧客の創造」がマーケティングの目的である

「究極の品質」から「感情」へ
日本発の世界ブランドが挑むマーケティングの模索

レクサス|ブランド・マーケティング

河合起季
2015年12月21日
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26年前に究極のQDR(品質、耐久性、信頼性)を追求するブランドとして誕生した「レクサス」。そのクオリティの高さで世界を驚かせたものの、品質や機能価値だけでは長い歴史を持つ既存の高級車ブランドには追いつけない。そこでレクサスでは、ブランドの世界観やライフスタイルを提案する新たなグローバル戦略を打ち出した。

「品質を超えた品質」を
目指すブランドとして誕生

トヨタ自動車 レクサスブランドマネジメント部 部長 高田敦史氏
レクサスのブランドショールーム「INTERSECT BY LEXUS」内に施された「パーツの壁」の装飾の前で

 レクサスが誕生したのは26年前、日本では10年前から販売が始まった。世界の高級車ブランドに比べて歴史は浅いが、「私たちなりにいろいろなストーリーを積み上げてきました」と、トヨタ自動車・レクサスブランドマネジメント部の高田敦史部長は言う。まず、その物語を振り返ってみよう。

 レクサスは、ドイツ車に席巻されていた高級車ブランドへのアンチテーゼとして、素材から見直す「源流主義」で究極の品質を追求するブランドとして生まれた。ベースにあったのは、世界一といわれたトヨタ自動車の“モノづくり”だ。

 実際、1989年に米国で発売されたレクサスLSは「品質を超えた品質」といわれ、圧倒的な静粛性や快適性などから世界を驚かせ、成功を収めてきた。特に静粛性たるや、ドライバーがエンジン音に気づかず、またキーを回してしまうという逸話があるほどだ。

 製造方法でもこだわりが強い。たとえば、一般に大量生産の場合、圧縮空気でネジを締めるドライバーを使うが、音が大きい。レクサスの工場では電動ドライバーで締めている。というのも、最後の「カチッ」という音を聞いて、締まり具合を確認するためだ。これこそまさに日本の匠の世界、五感を駆使した、クラフトマンシップによるモノづくりがそこにはある。

 「音で認識できる電動ドライバーのほうが、精度が上がるという信念でつくっています。本当はどちらも一定以上の十分な精度があり、検査ではどちらも合格です。それでも、こうしたこだわりはブランド価値を高めるうえでとても重要だと考えています。カナダのレクサス工場を稼働させた時は、九州工場の熟練工員が現地に出向き、日本のやり方を指導しました」

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顧客の創造とは、自社の顧客基盤を拡大することである。そのためにはマーケティングとイノベーションが不可欠である。顧客第一主義や顧客のセグメンテーションへの盲信から抜け出し、イノベーションを軸に顧客との新たな関係性の構築をすすめる企業と、マーケターの考え方を探る。

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