6月27日付の英「メール・オン・サンデー」紙は、200億ポンドの税金で救済された銀行(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)が、1.5万人の従業員を削減した一方で、テニスのウィンブルドン大会で80万ポンドの経費を使って貴賓室を借り、顧客を接待していたと大きく報じた。

 これに対して、英保守党のカーズウェル議員は、「許容できない」「納税者は彼らの税金を大企業(銀行)幹部の贅沢な接待に使ってほしいとは思っていない」と“追撃”のコメントを発している。

 洋の東西を問わず、公的資金が注入された銀行への世間の目は非常に厳しくなるものである。

 金融機関は現在不人気なので、キャメロン政権が発表した銀行への新たな課税に対しては、78%もの英国民が賛成の意を表している(英「テレグラフ」紙6月27日付)。

 同様の傾向は米国でも見られ、それゆえオバマ政権は、中間選挙を意識して、ゴールドマン・サックスなどの金融機関たたきにエネルギーを注いでいる。

 また、米議会では今年5月上旬に、FRBの独立性を事実上剥奪する法案(金融政策を会計検査院が検査する法案)が議論された。

 ホワイトハウスと財務省が説得工作した結果、幸いその法案は撤回されたが、議論の背景にはリーマン・ブラザーズ破綻以降のFRBの大胆なウォール街救済策に対する有権者の怒りが存在していた。