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知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

長期入院を助けてくれる公的保障は意外に多い!

早川幸子 [フリーライター]
【第118回】 2016年6月30日
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 「入院から在宅へ」という国の医療政策によって、病院に入院する日数は、この十数年でずいぶんと短くなった。

 厚生労働省の「患者調査」(2014年)によると、すべての病気の平均で見ると、1996年に40.8日だった入院日数は、2014年には31.9日となっている。

 病気別に見ても、通院治療が進んでいるがん(悪性新生物)の平均在院日数は、1996年に46.0日だったものが、2014年には19.9日と20日以上も短縮されている。また、心疾患(高血圧性のものを除く)は38.9日から20.3日になっており、ほとんどの病気が入院してから1ヵ月以内に退院している。

 ただし、なかには入院が長引くものもある。2014年でも統合失調症や躁鬱病などの精神疾患は291.9日、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は89.5日となっている。

 病気やケガをしても、治療費の多くは健康保険でカバーできるが、入院が長引くと「医療費がどんどん増えてしまいそう」「収入が減って生活できなくなりそう」などの不安が出てくるのも事実だ。

 そうした不安から、民間の医療保険に入っている人も多いはずだが、その前に知っておきたいのが公的な保障だ。

 健康保険だけではなく、年金保険や介護保険にも長期療養の経済的な不安をカバーできる保障があるからだ。そこで、今回は、療養が長引いた場合に利用できる公的な制度、医療費節約のポイントを確認しておこう。

まずは高額療養費で
自己負担を抑える

 病気やケガで入院すると、症状に応じて、手術や投薬、リハビリテーション医療などが行われる。かかった医療費は治療内容によって異なるが、健康保険が適用されるので、そのうち自己負担するのは年齢や所得に応じて原則的に1~3割だ。

 ただし、入院や手術をして自己負担したお金が一定額を超えると「高額療養費」が適用される。

 高額療養費は、家計に過度な負担を与えないように配慮した制度で、年齢や所得に応じて1ヵ月に自己負担する医療費に上限が設けられている。

 たとえば、70歳未満で一般的な所得の人(年収約370万~770万円)の限度額は、【8万100円+(医療費-26万7000円)×1%】。医療費が100万円かかった場合は、約9万円が限度額だ。

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

国民の健康を支えている公的医療保険(健康保険)。ふだんはそのありがたみを感じることは少ないが、病気やケガをしたとき、健康保険の保障内容を知らないと損することが多い。民間の医療保険に入る前に知っておきたい健康保険の優れた保障内容を紹介する。

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