知的生産業務の比重が大きくなっている昨今、読書する人としない人の差がますます広がっていくことに危機感を覚えます。本を読んだほうがいいと頭ではわかっていてもなかなか読めない人には、今回紹介する「点検読書」がおすすめです。
思考法から発想術、文章術、読書術、プレゼン術、図解術、交渉術、成功哲学まで、本当に使える仕事術を1冊に凝縮した新刊『ビジネススキル大全――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』より抜粋し、紹介していきます。

知的労働に読書は不可欠

 私たちの仕事の内容は、ますます知的生産業務の比重が大きくなっています。知識をいかに多く素早く吸収するかがビジネスパーソンたちの課題ではないでしょうか。そうなると読書の重要性がますます高まります。

 しかし、「本を読まねば」と思いながらも、読めずにいる人があまりにも多いのではないでしょうか?その理由は何でしょう?時間がないからでしょうか。それとも、読書に苦手意識があるからでしょうか。

 もしかすると読書法を知らないからかもしれません。そもそも私たちは、読書法など学校で習った覚えがありません。けれども、M・J・アドラーとC・V・ドーレンらが、何十年も前にビジネス書や実用書などを読む手順と方法をわかりやすく解説してくれています(『本を読む本』)。

 私は年間1000冊以上の本に目を通しています。これを始めてから知識の吸収量が飛躍的に向上しました。

読書の第一レベルは初級読書

 中学・高校で漢字や言葉を覚え、だいたいの本ならば読めるようになります。先生の力を借りなくても1人で読めるようになりますが、まだ十分ではありません。高度な読書技術を習得する準備ができたというレベルです。

 多くの人はこのレベルではないでしょうか。

 日本政府は子どもの読書力の向上のために「子どもの読書活動の推進に関する法律」を作って積極的に取り組んでいます。小学校では「朝読み」という朝の読書運動が広まり、始業時間前に読書の時間を設けるところが増えています。しかし、大学生になると読まない人が急に増えていきます。全国大学生活協同組合連合会の学生生活実態調査(2015年)によると、「1日の読書時間がゼロと答えた学生は45.2%だった」というのです。

 社会人で積極的に読書する人がどれくらいいるでしょうか?

 知的生産業務の比重が大きくなっている現代において、読書する人としない人の差はますます広がっていくでしょう。