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多様化する生活者との接点を
複合的に活用する時代へ

【特別対談】江端浩人×藤田康人 ―― デジタル時代のマーケティング入門

2010年10月25日
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 テレビ、ラジオ、新聞、雑誌……これらマスメディアを通じて行われてきた企業と生活者のコミュニケーション。それが、ウェブやモバイルなどデジタル技術に裏打ちされたインタラクティブメディアの浸透で劇的な変化を迎えている。さらにデジタル技術は、ユーザーの反応を、データとして提示することを可能にした。マーケティングは確実に変わろうとしている。この変化をチャンスとするか否か。それが今という時代の最大の経営課題だ。

江端浩人
日本コカ·コーラ
マーケティング&ニュービジネス
iマーケティング 統括部長
伊藤忠商事株式会社入社後、1996年、デジプリ株式会社創業。 世界初のインターネットDPEサービスやデジカメプリント端末(特許取得)等を展開。 2005年、日本コカ·コーラ株式会社に入社し、現職。

 そこで、10月開催の「アドテック東京2010」でも、セッション・スピーカーを務める2人に語り合ってもらった。

  自社構築の「コカ·コーラ パーク」を通じ、新たなコミュニケーション戦略で成果を上げている日本コカ·コーラの江端浩人氏と、「伝えるマーケティングから動かすマーケティングへ」を提唱し、数々のプロジェクトで実績を上げているインテグレートの藤田康人氏。

  この2人が見つめている「これからのマーケティング」とは?

次なるステップはソーシャルメディア

――デジタルマーケティングというと、これまではSEOを意識しつつ、「ページビューをいかに上げるか」というような話題が企業には多かったようですが、お二人は「もはやそんな段階ではない」とお考えのようですね。

江端 検索ベースの成果データは重要ですよ。けれども、今世界中が注力しているのは、いかにソーシャルメディアを活用していくかということです。背景には、今年3月、米国最大のSNSであるフェイスブックが、アクセス数ナンバーワンになった事実もあります。

藤田 昨年までなら「ソーシャルメディアを使います」と発表するだけでも、その企業は注目されました。ところが、今は「ソーシャルメデイアをほかの施策と組み合わせてどう効果を最大化するか」まで戦術を絞っている企業が普通に存在します。

江端 ソーシャルメディアの特徴は、エンドユーザーがよりいっそう可視化される点です。日本でもmixiがソーシャルグラフの公開を始めました。簡単にいえば、エンドユーザーが築いている人間関係やネット活用にかかわる情報などが、オープン化されたのです。さて、このプラットフォームをマーケティングにどう活用できるのか。それが問われていきます。

モバイルの領域でもさらなる可能性が 

藤田康人
インテグレート 代表取締役 CEO
味の素株式会社に入社し、低カロリー甘味料開発等を手掛けた後、現ダニスコジャパン設立。日本に初めてキシリトールを導入し、キシリトール・ブームを仕掛ける。その後、2007年インテグレートを設立。

藤田 私が今注目しているのはモバイル、特にデバイスの進化についてです。

スマートフォンやiPadの登場と浸透は、これまでケータイにはできなかったような「寄り添い方」を生活者とのあいだで可能にします。

「いちばん身近な存在」という強みを持つモバイル・コミュニケーションが、今後進化の過程で「気のきくバトラー(執事)」になれるか、それとも「口しつこいストーカー」になってしまうか(笑)、企業の活用次第で大きく変わっていくはずです。

江端
 企業の一担当者、投資する側として言わせてもらえば、ソーシャルメディアでオープン化が非常に大きな出来事だったように、モバイルデバイスの発展についてもオープン化するかどうかが非常に気になります。

コンテンツやサービスを提供しようにも「このデバイスならば使えるけれど、こっちのデバイスでは利用できない」という制約が多すぎるようでは、プラットフォームとして成長していかないと思います。 

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