管理・間接部門に属するホワイトカラーの業務を可視化し、業務改革を成功に導くツール「HIT法」。HIT法では6ヵ月の「基本活動」を終えると、さらに6ヵ月の「専門活動」に移行し、BPRやリスクマネジメント、人材育成(OJT)など、より大きな経営課題を解決していく。今回は専門活動の具体的内容や効果について、第2回に続きシステム科学の田代敏也取締役に話を聞いた。

さまざまな経営課題に対処するHIT法

 前回はHIT法の基本活動を中心に解説した。以下にそのポイントを整理してみた。

・業務を可視化することで、ムダに気づき、改善につなげる手法がHIT法
・HIT法でムダを改善する方法は2つ。その業務を「やめる」か、
その業務の「仕組みを修正する」
・HIT法では、参加者自らが楽しんで業務を分析し、改善提案を作る
・HIT法は、部署間・担当者間のコミュニケーションを促進する「共通語」づくり
・細かい改善も無数に積み上げると、大きい改善につながる

 今回は、さらにレベルアップした専門活動について解説していく。専門活動では、基本活動だけでは改善できない、より大きなレベルの課題――たとえばBPR、業務マニュアルを基盤とした次の担当者へのスキルアップ支援(OJT)、リスクマネジメントが解決できる。それぞれ解説していこう。

*BPR(Business Process Re-engineering)とは、既存の組織、諸制度を抜本的に見直して、プロセス志向でゼロから再設計する活動コンセプト。