FRBは2007年9月18日FOMCで市場予想を上回る0.5%の政策金利引き下げを決定した。声明文によれば、利下げの根拠は、金融市場の混乱が経済全体に悪影響を及ぼさないよう "forestall" する(未然に防ぐ)と説明されている。

 次回FOMC(2007年10月30~31日)でも0.25%の利下げが行なわれる可能性があるが、FRBは現時点では先行きの政策運営をオープンにしておきたいようだ。指標や市場動向次第では、追加利下げを見送ることができるよう余地を残した声明文になっている。

 一方、2007年9月19日に日本銀行は政策金利の現状維持を決めた。利上げ票は今回も水野温氏審議委員だけだった。日本の短期金融市場は欧米と大きく異なって落ち着いている。しかし、米サブプライムローン問題が日本経済へ与える影響が見極められるまで日銀は現状を維持する様子である。海外金融市場に落ち着きが表れ、米住宅市場低迷の悪影響は新興国など世界経済の成長で吸収されそうだと日銀政策委員が判断するようになれば利上げが現実化してくる。しかし、それは早くて2007年12月~2008年1月頃か。