週刊ダイヤモンド 京都府宇治市のマンホールは大変凝っています。

 宇治橋と紅葉が全面に刻まれ、マンホールファンならずとも、立ち止まって見惚れる美しさ。しかし、このマンホールのデザインに対して、市内に住む臼井(うすい)さんが怒りました。

 「孫が名前を踏みつけられ、からかわれているんだ」

 よく見ると、確かに平仮名で小さく「うすい」と刻まれています。雨水用のマンホールだからです。宇治市のマンホールには「雨水用」と「汚水用」があるのですが、汚水用の字面がよくないので平仮名にしたのに合わせ、雨水用も平仮名表記にしたのだそうです。

 その平仮名表記が気に入らない臼井さんは、市内すべてのマンホールを取り替えるように市へ要求しました。しかし、マンホール1カ所を交換するのに約15万円もの費用がかかります。全部交換すれば、莫大な出費です。

 私も同姓の臼井。

 今週号「恐怖のクレーマー」で、この“うすい”問題を追いかけてきました。無理難題に市はどう対応したのでしょうか。宇治市を訪れ、マンホールをのぞくと、そこにはなんと! ……この続きは本号をお読み下さい。

 いま全国に常識外れのクレーマーが大量発生し、企業はもちろん、行政や学校、病院までもが悲鳴を上げています。

 保護者からの苦情で教育者が自殺に追い込まれたり、牛丼店店長がしつこいクレーマーを殺害してしまったり、過剰なクレームが人命を奪う事件まで起きています。

 特集では日本を襲うクレーマー社会の病理構造に迫りました。増殖するクレーマーの実態は「教育型」「粘着型」「王様型」など類型ごとに分析。小売り、外食、ホテル、メーカー、住宅、航空など各業種の事例を集め、さらには「自子中心主義」の蔓延で泣かされる学校、なんでもかんでも医療過誤と叫ぶ「患者様」の横暴にかき回される病院の現場をレポートしています。

 インタビューでは、「戦後思想界の巨人」である吉本隆明氏が登場。社会全体が苛立つ日本を語っていただきました。もう一人、東芝クレーマー事件の“アッキー”にも突撃!あの事件の意義、その後のアッキー、その後の東芝お客様相談室をお伝えします。

 実用的なクレーム対策も満載です。元大阪府警のクレーマーコンサルタントが指南する「クレーマーの見極め術」「悪質クレーマーを5分で黙らせる極意」、元西武百貨店・苦情処理のプロが伝授する「苦情対応7箇条」、ザ・リッツ・カールトンらの「クレームを利益につなげる極意」などなど。

 外線電話が恐い諸氏、どうぞお見逃しなく! 

(『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)