新春相場は荒れており、世界的な株安に日本株も連動している。しかし冷静に日本株を見たい。

 これまで過剰流動性が世界的に株価バブルを形成してきたが、日本株は違う。昨年、米S&P500は3.5%、英FT100は3.8%、中国の上海総合指数は96.7%上昇した。一方、TOPIXで12.2%下落している。

 日本株下落の原因は2006年のライブドアショックだ。

 これ以降、世界的に楽観的な見方が強いなかでも日本は投資リスクが強く意識され、株価は調整色が強かった。

 今年は世界的にバブル修正の年となるだろう。しかしすでに調整していた日本は影響が小さいと考える。日本株は世界に先んじた出直り相場が期待できるだろう。

 市場の不透明感が強いなかでは、個別銘柄の選別ではリスクを減らしたほうがよい。割安性、効率性、安全性の三つが備わった企業に投資すべきだ。具体的には、「低PBR、高ROEで高ROD」に注目して投資する。

 割安度を示すPBRは、株価÷1株当たりの自己資本(BPS)で計算される。解散価値を示すBPSと比べ、株価がどの程度安いかを見る。特に下落相場後の反発では低PBR株の上昇が大きいことに注目したい。効率性を示すROEは一株当たり利益÷自己資本。株主の出資に対し、どの程度利益を上げているかを見る。安全性指標はROD(リターン・オン・デット)。

 ここでは経常利益に支払利息を足した事業利益を有利子負債で割った値として定義する。値が高ければ負債の返済力が高く、余裕があると判断できる。市場がリスクを強く意識するときは、負債に対してどの程度利益を上げているかが重要になるのだ。