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ウィキリークス騒動どころでは済まない?
迫り来る「21世紀型サイバー戦争」の現実

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第155回】 2010年12月14日
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 サイバー戦争――。最近、この耳慣れない言葉が脚光を浴びている。

 「サイバー戦争」とは、基本的にインターネットやコンピューターなどの情報・通信テクノロジーの中で起きている、戦争のような敵対行為と考えればよいだろう。
戦争と呼ばれるだけあって、特定の個人や組織が対立すると見ている主体に対して、インターネットなどのなかで害を与える行為を意識的に行なっているということだ。

 具体的には、特定の主体が「敵」と想定する国や企業などが管理するサーバーやコンピューターに入り込んで、データーベースを破壊するような行為をしたり、インターネットなどに相手に害を与えるような情報を流すことを意味する。

ウィキリークス騒動が示した
インターネットの恐るべき攻撃性

 最近、メディアを賑わせている「ウィキリークス騒動」のように、匿名の第三者が特定のサイトに国家の極秘情報を意図的に流失させるような行為も、広い意味でこのサイバー戦争の範疇に含まれると考えられる。

 一度に多くの人々に情報を送ることができるインターネットには、もともと考えられないようなパワーが潜んでいる。インターネットに、相手にとってマイナスの情報を流すと、それが真実であるか否かとは関係なく、広い範囲の人々に情報が伝播することになる。そのため、相手に大きなダメージを与えることが可能だ。

 また、情報の蓄積を破壊すると、相手の情報ソースに大きな損害を与えることが可能になる。現在のような情報社会において、それは甚大な打撃になることも考えられる。

 「サイバー戦争」は、情報・通信技術が急速に発展したことによる「マイナスの影響」と考えられる。厄介なことに、この戦争は誰が、どこで開戦しているかを見分けることが極めて困難なケースが多い。今後、社会全体として、そうした弊害を食い止めるための方策を真剣に考えることが必要だ。  

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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