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人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成
【第13回】 2016年11月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
中原淳 [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

あなたの職場に人が足りない「本当の理由」は?
「職場づくり」こそが最強のアルバイト人材戦略

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(スタッフ)「あ、今日も採用面接ですか?けっこう応募が来てるんですね」
(店長)「そうなんだよ!うまくいけば今月は3人採用できそうだ」
(スタッフ)「でも、この半年で5人辞めてますよね?」
(店長)「それは言わないでよ……(涙)」

深刻化する人手不足、もう打つ手はないのか?アルバイト不足対策には3通りの解決策が考えられるが、慢性的にスタッフが足りない職場では、そのうちの1つが完全に抜け落ちている可能性がある。それが、アルバイトの離職を減らす「出口対策」だ。最新刊『アルバイト・パート[採用・育成]入門』から一部を紹介する。

お金さえあれば、
人手不足はなんとかなる?

中原淳(なかはら・じゅん)
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授/東京大学大学院 学際情報学府(兼任)/大阪大学博士(人間科学)
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、米国マサチューセッツ工科大学客員研究員などを経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論・人的資源開発論。
著書・編著に『アルバイト・パート[採用・育成]入門』『企業内人材育成入門』『研修開発入門』(以上ダイヤモンド社)など多数。

パーソルグループ
日本最大級の総合人材サービスグループ。本書においては、同社のシンクタンク・コンサルティング機能を担う株式会社パーソル総合研究所が、中原淳氏とともに大企業7社8ブランド・約2万5000人に対する大規模調査と各種分析・示唆の抽出を実施している。

 「来月のシフトをいかに回すか」「目下のスタッフ不足にどう手当てするか」といった現実的な課題に追われている店長・企業は、どうしても「いかにいい人材をたくさん採用するか」に目を奪われがちです。

そこでまず誰もが考えるのは、アルバイト募集への「応募者数」を増やすことでしょう。「応募者の数を増やすこと」を考えた場合、店長・企業が取るアクションは、だいたい限られています。

誰でもすぐに思いつくのは「採用のための予算を増やして、募集広告を多く出す」という方法でしょう。これ以外にも、時給を上げたり、交通費支給を謳ったり、働く側のニーズに合わせて雇用条件を調整するような方法もあります。大きな会社であれば、テレビCMを打ったりしてブランドイメージを高めることもあるかもしれません。

人手が足りない店長ほど、
「出口対策」が足りない

とはいえ、これらの手段はすでにやり尽くされていますし、やればやるほどコストが膨らむため限度があります。また、一店長には裁量が与えられていないことも多いので、「ウチにももっと予算があれば募集広告を出せるのに…本部が現場の苦労をわかっていない!」と不満を抱いている人も多いかもしれません。

この点については個別の事情もあるので、これ以上は踏み込まないことにしましょう。それ以前に考えていただきたいのが、「本当にこれだけしか人手不足対策はないのか?」ということです。私はそうは考えていません。

アルバイト人材の獲得競争が激しい時代にあって、人手不足を解消する施策は3通りあります。1つは応募数・採用数を増やす入口対策。これについてはすでに見たとおりです。

2つめが、生産性の向上です。できる限り1人あたりの生産性を高めて、必要な人員数を減らすという努力は、会社レベルでも現場レベルでも、相当に進められていることでしょう。また、サービスの自動化・機械化などによる効率アップも、店長の守備範囲を大きく超えている部分でしょうから、これ以上は触れません。

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中原淳(なかはら・じゅん) [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

東京大学大学院 学際情報学府(兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。
著書に、『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『アクティブトランジション』(三省堂)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)、『企業内人材育成入門』『研修開発入門』『ダイアローグ 対話する組織』(以上、ダイヤモンド社)など多数。


人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成

各業界で「アルバイト・パートの人手不足」が深刻化している。いまこそ企業は「使い捨て人材」としてのイメージを捨て、真剣に「バイトの主力化」に取り組まなければならない――。こうした問題意識の下、東京大学・中原淳准教授とテンプグループは、小売・飲食・運輸業界大手7社8ブランドの2.5万人を対象に、国内初の「アルバイト・パート雇用」に関わる大規模調査を実施。これからの「バイト人材育成」に欠かせないポイントはどこにあるのか?

「人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成」

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