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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

庵野秀明監督が初めて語る経営者としての10年(下)

週刊ダイヤモンド編集部
2016年11月16日
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>>(上)より続く

──人材面について、カラーには業界でトップクラスの人材が数多く集まっています。なぜそうした人を抱えておけるのでしょうか。

 そうですね、一つは作品やスタジオとしての魅力があるということ。それと、やはり経営的に安定していることではないでしょうか。

──アニメ制作者における就業形態において、正社員の比率は15.5%しかないという調査があります(日本アニメーター・演出協会調べ)。この業界ではカラーのように社員化を進め、固定給の支払いができる会社は数少ないようです。なぜこのような経営を行うのでしょうか。

©カラー

 作品を実際に作っているのは監督ではなく、スタッフです。さらに、作品の土台を経済的に支えてくれるのはファンの人たちです。ファンとスタッフは大事にしなければなりません。これがデファクト(標準)であり、当然のこと。作品を作り続けるには、両者に対して還元をしていかなければならないという考えがあります。

 アニメを制作してお金が入ったときは皆で分け合うようにしています。当たらなかったときは皆で貧乏になる。われわれも人気商売なので、そういう考えの下で経営をしています。

 なので、余裕があるうちに、ファンにも還元したいですね。今回の10周年展も、ファンへの感謝の気持ちがあります。アニメや特撮の資料ミニチュアなどをアーカイブ化する事業も進めていますが、これも自分たちをこの業界に導いてくれた過去作品、先人への恩返しのつもりです。

──福利厚生も充実させていて、社員旅行もしているようですね。

 ええ。忙しいときは別ですが、可能な限り夏、冬の年2回、社員旅行を開催しています。最近だと、沖縄の宮古島に行きました。大人数になってきたので、なかなか大変ではありますが。

──トップクリエーターの熱量を保ちながら、大盤振る舞いにならずに冷静に経営を支えていくのは難しいのではないでしょうか。

 結局はコントロールですね。クオリティーコントロールとキャッシュフローのコントロールをするだけです。出すときに出して、出さないときはもうギュウギュウに締める。そういうことだと思います。

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