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自分の時間を取り戻そう
【第6回】 2016年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
ちきりん

『自分の時間を取り戻そう』無料公開!
「忙しすぎる」という問題の本質

話題のベストセラー『自分の時間を取り戻そう』の内容を紹介する連載も今回で一区切り。
ここまで紹介してきた、多忙で余裕のない4人の生活を振り返りながら、いったい「なにが問題の本質なのか」考えていきましょう。

 マネージャーに昇格後、労働時間が大幅に伸びた正樹、子育てと仕事に大わらわのケイコ、就活時にはリーマンショックに見舞われ、フリーになっても長時間労働から逃れられない陽子、そして、多くの社員が真夜中まで働いているのにスピードを失い始めた会社に危機感を感じる勇二。

 みんなそれぞれ自ら希望した道を進み、それなりに成功もしている。なのになぜか忙しすぎる。この記事を読んでくださっているみなさんも、そのひとりかもしれません。

 といっても『自分の時間を取り戻そう』のテーマは、「効率よく仕事を終わらせるノウハウ」でも「共働きの極意」でもありません。

 今回の本で論じたいのは、それぞれの人が自分の人生を自らの手に取り戻すための、そして、これからの社会を生き抜くための鍵となる、あるとても重要な概念についてです。

 それがなになのかはこれからじっくり説明しますが、まずは4人の生活を振り返りながら、いったい「なにが問題の本質なのか」考えていきましょう。

正樹の意見

「働きすぎだって?わかってるけど、そんなこと言われたってどうしようもない。仕事が多すぎるんだから!」

問題その1
●長い時間、働くことによって、問題を解決しようとしている

 これは多忙な人が陥るもっとも典型的な問題です。

 正樹は増加した仕事をこなすため、残業や休日出勤、自宅への仕事の持ち帰りなど、「働く時間を拡大する」ことで問題を解決しようとしています。

 彼はそれを「若くしてマネージャーになったのだから当然のこと」であり、「仕方のないこと」「みんなやっていること」と考えています。

 でも「長い時間を投入する」のは、本当に最良の問題解決方法なのでしょうか?誰しも持っている時間は同じです。そんななか仕事に投入する時間を増やせば、他のことに使える時間が大幅に減ってしまい、生活全体としてはますます忙しくなってしまいます。

ケイコの意見

「仕事も子育ても手は抜けません。時短勤務を認めてくれて、なにかと配慮してくれる会社のためにも仕事はきっちりやりたいし、子育てに手を抜くなんてありえない。だって私は母親なんです!」

問題その2
●すべてのことを「やるべきこと」と考え、全部やろうとしている
●なにもかも完璧にやろうとしている

 ケイコは仕事と家事と育児に加え、お弁当作りからお受験、さらに義父母との付き合いまで、「母親がやるべきこと」はすべてやろうとしています。

 彼女にとってそれは「母親だから当然」のことです。でもこんな生活を続けていたら、いつかケイコ自身が体を壊してしまいそう。それに、せっかく巡ってきた仕事上のチャンスだって泣く泣く手放すことになってしまいそうです。

陽子の意見

「仕事がなくなるのがとにかく怖いんです。っていうかフリーランスとして働いていて仕事を断れる人なんてホントにいるんですか?そんなの、よほどの才能がある人だけですよね?」

問題その3
●不安感が強すぎて、NOと言えなくなっている

 陽子は新卒就活時にリーマンショックに遭遇して大変な苦労をし、独立後も月に数万円しか稼げないという苦境を経験しました。だから今も「いつ仕事がなくなるかわからない」という恐怖感から逃れられないのです。

 仕事の依頼があれば直前でも、そして少々無理なスケジュールでも断らずに引き受けてしまうため、止めどなく忙しくなってしまっています。フリーランスなのにまるでブラック企業で働く社員のように、夏休みや正月休みさえとれない状態です。

 この「断るのが怖い」という気持ちも、私たちを多忙な生活に追い込む大きな要因です。

 他にも、「子どもの友達のお母さんに誘われたから」「ご近所の顔役の方に頼まれたから」「義理のお父さんが望んでいるのに」など、自分や子どもが嫌われるのではないか、仲間はずれにされるのではないか、ダメな嫁だと思われるのではないか、といった不安からNOと言えなくなってしまう人がたくさんいます。

 本当はちょっとくらい期待を裏切っても、その分なんらか自分の得意な方法でリカバーすることはできるはず。でもみんな、そんなふうに考えることはなかなかできません。

勇二の意見

「社員はみんな一心不乱にパソコンに向かい、連日のように真夜中まで働いています。なのに出てくる成果のレベルが低すぎる。これはいったいなぜなんでしょう?」

問題その4
●「とにかく頑張る」という思考停止モードに入ってしまっている

 日本人は「一生懸命働く」のが大好きです。ものすごい速さでキーボードを叩き、脇目も振らずに書類をめくっていく。一見すごく高い集中度で働いているように見える……なのに、大した成果が出せていない。そういう人、いますよね?

 なぜ働く時間に見合った成果が上げられないのか?それは考えるのを止め、無思考モードになって目の前の作業に没頭してしまうからです。

 実はここまで見てきた4つの問題は、すべてそれらより上位に位置する“ある大きな問題”につながっています(図1)。


 なので4人が今の多忙すぎる生活を脱するためには、その本質的な問題を解く必要があるのです。しかもこの問題は、今の社会の大きなトレンドとも密接に関わっています。

 現時点では正樹もケイコも陽子も勇二も、その本質的な問題がなになのか理解できていません。だからみんな、多忙な生活から抜け出せないのです。

 その「本質的な問題」とはなんなのか?

『自分の時間を取り戻そう』で答えを知る前に、みなさんもぜひ自分のアタマで考えてみてください。

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ちきりん

関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念。 2005年開設の社会派ブログ「Chikirinの日記」は、日本有数のアクセスと読者数を誇る。 シリーズ累計23万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』(ダイヤモンド社)、『「自分メディア」はこう作る! 』(文藝春秋)など著書多数。

 


自分の時間を取り戻そう

多忙で余裕のない4人の物語からわかる「忙しさの本質」とは?  そして今、世界中で進みつつある「大きな変化」とは?
2つの視点から明らかになる1つの重要な概念と方法論を解説し、大きな話題となっている『自分の時間を取り戻そう』。
本連載はその魅力を紹介するものです。
 

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