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高橋洋一の俗論を撃つ!

新興国のインフレから資源価格の急騰まで
なんでも米国の金融緩和が原因なのか?

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第9回】 2011年3月10日
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 米国経済はゆっくりながらも回復している。2008年9月のリーマンショック以降、FRB(連邦準備制度)はバランスシートを拡大して強烈な金融緩和措置をした。10年11月にも、追加的な金融緩和を決めた。

 マーケット関係者は、これを2度目のQUANTITATIVE EASINGからQE2として、豪華客船のクィーンエリザベス2世号をもじっている。このため、マネーが大量に米国内に供給され、そのおかげで、米国は景気回復している。

 FRBは、雇用の確保にも責任をもっているが、雇用状況は徐々に改善してきた(図1)。

 ところが、そのマネーが新興国に流れて、食料価格や商品価格の高騰を招いているといわれる。識者もそう解説するし、マスコミもそれを鵜呑みにして報道する。さらに、中東の動乱までQE2のせいであるという人まででている。はたして、QE2が世界にバブルをまき散らしているのだろうか。

国際金融のトリレンマ
固定相場制と米国の金融緩和の関係

 中東の動乱はさておき、QE2によって余ったカネが新興国に流れたという見方は、マクロ経済学から見るとかなり問題だ。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

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