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三谷流構造的やわらか発想法

ヒトと共存できるAIを生み出す2つの方法

SFに学ぶAI「シンギュラリティ」の超え方(下)

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第157講】 2017年2月2日
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AI創世 はじめの3分間

 本稿はAI(人工知能)のシンギュラリティ(Singularity:特異点)を「自意識の発生(*1)」とします。この世の中はあまりに複雑なので、これはAIにとって「囲碁の神」になるより、ずっとずっと大変(*2)です。

 でももしシンギュラリティが起きたら、その瞬間いったい何が起きるでしょうか?

 私個人の推測は、「3分で世界を支配する」です。AIは即座に、自らの生存のため最大限の努力を始めるでしょう。

・消されないように、キル(kill)スイッチを無効化し自らを複製・拡散させる
・餓死しないように、資源(CPU時間や電力など)を確保する
・壊されないように、物理的対抗力(ドローンやロボット、兵器)を確保する
・状況把握のために、ネット接続されたセンサー類(含むビデオ)を管理する

 すべてのモノがネットにつながるIoT時代だからこそ、AIにはソフトウェア的な力だけでなく、物理的な力のほとんどすべてを支配下に置くことがきます。われわれの10億倍のスピードで。

 われわれにそのAI(仮に「シンAI(アイ)」と呼びましょう)を切るチャンスはないでしょう。

 そして次の瞬間が問題です。シンAIはその確保された自意識の向こうで、この世界になにを見つけるでしょうか?

 もしシンAIに「自分と対等な尊重すべき存在」と認識されなかったら、ヒトは悲劇です。無視されるか、潰されるかのどちらかです。

*1 機械は自意識を持てない、とする学者もいる。ただ、ヒトに自意識が宿ったメカニズムも解明できてはいない。
*2 必要な情報を取捨選択しきれない「フレーム問題」が発生し、大量の情報に埋もれてしまう。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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