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身近な人ががんになったときに役立つ知識
【第21回】 2017年3月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
内野三菜子

がん治療後、会社に復帰するときには
「産業医」を味方に!

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TBS系テレビ「爆報!THEフライデー」でも紹介された『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』。現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本が話題になっています。
この連載では、その本の中から気になるところを、再編集して紹介していきます。

50人以上の会社では
1人以上の産業医の選任が義務

内野三菜子(うちの みなこ)
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医

 職場復帰をサポートしてくれる
「産業医」とは何ですか?

 「がんになっても仕事は続けたほうがいい」とはいっても、何らかの治療を受けた後に、以前とまったく同じように働くのは難しい場合が多々あるのも事実です。

 働きながら抗がん剤治療や放射線治療を受ける場合は、会社を早退したり、休んだりする必要も出てきます。また、仕事があるからと治療を受けられない、といったことも避けなければいけません。

 普通に過ごしていても人間である以上は体調に波があるのも当然ですが、治療中や治療後は体調の好調・不調の波も普段以上に大きくなり、治療前と比べるとだるさや疲労感が強く感じられることもしばしばあります。

 がんの患者さんが、仕事に復帰するにあたっては、体調に合わせて仕事内容を考慮したり、通院時間を確保したりする必要がありますが、従業員が常時50人以上いる会社では、「産業医」が患者さんの復職をサポートしてくれます。

 産業医は、医療の専門職の立場から、職場における労働者の健康管理を行う医師で、場合によっては事業主に対して労働環境の見直しを指導したり、従業員の健康づくりのアドバイスをしたりするのが仕事です。

 労働安全衛生法第13条では、従業員が常時50人以上いる会社には1人以上の産業医を選任することを義務付けています。また、従業員が常時1000人以上いる会社(または、有害な化学物質を扱うなど、危険な業務をする従業員が常時500人以上いる会社)には、専属の産業医をおくことになっています。

 産業医のおもな仕事は、健康診断や面接指導による労働者の健康管理ですが、がんの患者さんが無理なく職場に復帰できるように、患者さんと一緒に考え、会社との調整役も行っています。
 がんと診断され、治療のために一定期間仕事を休むことになると、患者さんは主治医の診断書を添えて休職願いを出します。そしてある程度、治療の見通しがついて、「これなら仕事に復帰できる」と主治医が判断すると、再び会社に診断書を提出し、復職に向けた手続きが始まります。

 そこで登場するのが産業医です。産業医は主治医と患者さんの状態について、医学的な立場から情報交換をし、そのうえで患者さんと面談をするのが一般的です。

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東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。
聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医。
 


身近な人ががんになったときに役立つ知識

今「がん」に関する情報があふれています。しかし、情報が多すぎ本当に正しい情報はなんなのか……と迷う人が多いのも事実です。
そこで、がん患者さんに日々接している現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説、まとめた書籍『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』より、その中で気になるところを紹介していきます。
 

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