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王道経営
【第4回】 2017年3月15日
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新 将命

260年生き続ける「三方よし」の
商品・サービス品質とは?
近江商人道は「王道経営」の基本的考え方に通じる

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勝ち残る企業を創る鍵、「黄金のループ」によれば、「経営者」の質が高まれば優れた「社員」を育てることができ、社員の質が高まれば彼らが生み出す「商品・サービス品質」が高まる。王道の商品・サービス品質の基本的考え方は、近江商人の「三方よし」の精神に通じる。

王道の商品も「三方よし」

 「三方よし」は近江商人道を表す言葉として有名だが、改めてここで詳しく見ておこう。三方よしとは「売り手よし、買い手よし、世間よし」のことで、売り手、買い手、世間の三者がよしとなることを基本とする商売の心得のことである。

 近江商人は、定期的に各地に出向いて商品を売って歩く商売をしていた。

 各地を定期的に巡回するため、買い手であるお客さまの信用を損なうようなことはあってはならない。売り手である自分の儲けだけを考えては、二度とその地で商売ができなくなるからだ。これが売り手よし、買い手よしである。しかし、近江商人には長年培った信用があるといっても、行く先々の土地の人から見ればしょせん余所者である。余所者には冷たいのが人の常である。たとえ故意にではなくとも、土地の人たちの商売を荒らしては、侵入者という烙印を押されてしまい二度とその地に足を踏み入れることはできない。

 そこで、行く先々の土地の人にとってもよいように、地域の経済活動にも貢献するようにという思いのもとに、世間よしという一項目が成り立ったのだという。今日では、この近江商人の「三方よし」は、製造物責任(PL)、CSR(企業の社会的責任)、コンプライアンス(法令遵守)など、社会の公器である企業の経営規範として再注目されている。

 そう考えてみると、アメリカから輸入したCSとは近江商人道の「三方よし」と何の変わりもない。輸入品だからといって涙を流してありがたがる理由はまったくない。

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新 将命

株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40年にわたり社長職を3社副社長職を1社経験。株式会社ティーガイア、ライザップグループ株式会社を含む数社の社外取締役を務める。長年の経験と実績をベースに、国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。

自身のビジネス人生で得た実質的に役立つ独自の経営論・リーダーシップ論は経営者や次世代リーダーの心を鼓舞させ、講演会には常に多くの聴講者が詰め掛けている。著書に『経営の教科書』(ダイヤモンド社)『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 働き方の教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために本当に必要なこと』(ダイヤモンド社) など。またオリジナル教材『新将命の経営・リーダーシップ実学』やCD教材等も。

新将命 公式サイト

 


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あまりにも頻発する企業の不祥事に危機感を覚えた“伝説の外資トップ”が、「日本の経営者は、いまこそ王道に立ち返れ」と、40年をかけて体得し実践してきた王道経営の真髄を魂を込めて伝える。

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