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三谷流構造的やわらか発想法

こんなときどうする?~営業編(続)

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第7講】 2011年5月3日
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新商品を新規顧客に売り込む!

 前回、営業の現場でどんな発想が求められるかを見てみました。3つパターンを挙げ、そのうち二つを解説しました。

・A 相手を目の前にしての会話 → 大きな質問(日米半導体摩擦とか…)には、更に高いトリの視点と天の邪鬼の視点で即座に切り返す

・B みなが集まる会議での発言 → 「要はどういうことか?」には面白い(短い)例え話やキャッチフレーズを事前に準備する

 でした。

 次の、C提案書作り、の前に、最難題であった「新商品の新規顧客への売り込み」を考えてみましょう。これを突破するのには、どんな発想が必要とされ、それをどう生み出せば良いのでしょう。

 新商品には実績がありません。新規顧客に対しては人間関係も情報もありません。

「あかり安心サービス」による
パナソニックの「サービス化」

 2002年4月、パナソニック電工(当時は松下電工)は「あかり安心サービス」の提供を開始しました。

 蛍光灯を従来のように単品売りするのではなく、事業所向けにリースし、回収・再処理する定額サービスで、サービス自体は、顧客(事業所)が困っていた「産業廃棄物の排出者責任」がなくなる、「グリーン購入法」に対応する、というもので画期的なものでした。

 でも、困ったのは販売です。この商品、誰にどう売るのかが難しい

 パナソニック電工もその販売代理店も、「サービス」なんて売ったことがありません。売ったら終わりの「モノ」が中心(*1)で、せいぜいアフターサービスがあるくらい。サービスは、まるで未知の世界です。

 それに潜在的な顧客は全事業所600万。その割に普通は蛍光灯の交換は少なく、一気に入れ換えるサービスの導入提案は簡単ではありません。つまり、まわりみんなが(潜在)客なのに、滅多に買ってもらえない商品だったわけです。

*1 主な取扱商品は住宅設備機器(キッチン・バス・洗面・トイレ・給湯・収納等)と照明機器

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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