ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン

サプライチェーン改革がうまくいかない3つの理由

――ますます複雑化する世界におけるオペレーション統治の有効性

PwCコンサルティング
【第6回】 2017年4月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

近年、内需の限界を感じ国際化を目指す企業がより一層増えている。そのような状況の中、企業は変化が激しい市場に合わせ、統合された需給コントロールを実施する必要がある。競合他社との差別化を図る上でも、これまで以上にマーケットとの連動、収益性を念頭に置いた意思決定を行うことが求められている。サプライチェーンの個別機能(開発、販売、製造、調達など)を最適化し連携させていくだけではなく、財務、マーケティングなど他部門を含めて全体最適を目指した構造改革によるオペレーションコントロールが必要となっている。この構造改革をどのように実現していけばよいのだろうか。

トップの期待通りに進まない構造改革

山田 祐三
PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー
大手コンサルティングファームを経て現職。金融、製造、消費財、商社等幅広い業種に対し、グローバルサプライチェーン改革、ITシステム改革の支援を行う。戦略立案から、業務改革実行・定着化までのプロジェクトに数多く携わる

 PwCのグローバル調査によると、調査対象企業トップの78%が「自社組織を改革したい」と考えている。

 しかし、「自社内に改革を実行できる能力がある」と考えているのはわずか54%。「その改革に必要な戦略を自社の担当者が理解している」と考えているのは76%であるが、「その戦略が具体的な行動に落とし込まれていると考えている」と回答したのは54%にとどまった。トップの期待に対して、現場には能力も足りないし、実際に行動にも移せていないというのが調査の結果だ。

 なぜそのようなことが起きるのであろうか。実際のビジネスにおいては計画通りに進まない要因は複数あり、それらがビジネスの成果に大きな影響を与えている。現場がトップの期待に応えるべく、戦略を実行に移そうとしているが、以下のようなさまざまな要因によって、企業トップの期待通りの成果があげられていないのが現状なのである。

・市場の動向に対して自社の製品ポートフォリオがミスマッチとなっている
・顧客需要にフォーカスした結果、必要以上にコストがかかり利益を圧迫している
・予測不可能な需要に対して在庫が積み上がってしまう
・適切な判断ができないことにより利益機会を喪失している
・組織が縦割りとなっているため、情報が分断されている

1
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン

どのような業界にいようとも、戦略を遂行することは難しくなっている。IoT、AI等技術の進歩は私 たちの価値観を変え、顧客の価値観もまた著しく進化している。競争相手は全く新しい事業モデルを構築し、挑戦してくる。これまでの常識が変わっているのだ。これはリーダーシップを担うすべての人に共通する課題ではなかろうか。 本連載では企業が戦略を実行するために必要なオペレーションの最新モデルを取り上げ、グローバル市場で生き残る企業の条件を探る。

「世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン」

⇒バックナンバー一覧