デジタル技術を活用したビジネス革新やデジタルビジネスの創出は多くの企業にとって重要な関心事となっているが、デジタル化の領域や施策とすべき戦略テーマは業種・業態によって異なる。デジタルビジネスの企画・構想化にあたっては、IoTやAIといったテクノロジの視点だけでなく、業種ごとの事業課題に基づくテーマ設定が求められる。

デジタルビジネスのフレームワーク

 IoT、3D、AI、ビッグデータなどのデジタル技術を活用したビジネス変革や新規ビジネスの創出が期待されている。しかし、デジタル化の重点領域や施策とすべき戦略テーマは業種や事業領域によって異なるため、IoTやAIといったテクノロジを起点とした発想だけでなく、業種ごとの事業課題に基づくテーマ設定が求められる。ITRでは、デジタル化の潮流を4つの領域に分類し、デジタルビジネス・フレームワークとして提示している(図1)

業界ごとにデジタル戦略は違うのか?<br />注目4分野の動きをまとめる

 領域ごとに関連キーワードを列挙したが、これについても全業種共通に関連するものもあれば、特定業種に限定したキーワードも含まれている。いずれの領域も重要な戦略テーマとなりえるが、まずは、このようなフレームワークに照らし合わせて、自社のデジタル化の方向性や優先領域を見極めることが求められる。主な業種ごとおよびデジタル領域ごとに注目すべき戦略テーマを表にまとめた(図2)。複数の業界に共通したテーマや業種横断的なテーマも存在する。以降では、各業界におけるデジタル化の動向を紹介する。